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樹脂(プラスチック)バリ取りはなぜ難しい?樹脂向けの「バリ取り方法」を解説

そもそも「バリ取り」って何?

バリとは、金属加工や樹脂(プラスチック)加工の過程で発生する、突出部や余分な部分を指し、一般的には不規則で鋭角な形をしています。また金属の鋳造や樹脂の射出成形のような「型」を利用した加工においても、バリは発生します。

このときのバリの発生原理としては、鋳造や成形中に型の合わせ目や部品と型の間隙から材料が漏れ出し、その部分が固まり、型などの合わせ目に沿った形状のバリとして現れるのです。

 
<樹脂(プラスチック)の成形バリの例>

切削や成形の他にも溶接や表面処理などさまざまな場面でバリは発生しますが、部品の精度向上・利用者へのケガ防止などのためにも、必ず取り除くべき存在とされているのです。

発生したバリを除去する工程を「バリ取り」といいます。

下記記事では「バリ取り」についてより詳しく解説していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

関連記事:『バリ取りって何?「バリ」の発生原因から行う理由・方法まで詳しく解説!

樹脂(プラスチック)のバリはなぜ形成されるの?

樹脂(プラスチック)製品のバリというのは、主に「射出成形」と「切削加工」の2つの工程で生じます。

例えば「射出成形」というのは、樹脂を型に流し込む製法ですが、この際に金型の合わせ目(パーティングライン)から樹脂が漏れ出し、固化することでバリが形成されます。適切な圧力をかけていたとしても、長期間にわたる型の使用による歪みや摩耗が原因で、隙間が徐々に拡大し、結果としてバリの大きさも増加してしまうこともあります。

切削加工は、一般的に切削工具を用いて加工物を削ったり、切断したりする加工方法です。樹脂は金属と比べて軟らかく熱の影響を受けやすいため、樹脂を削り取る際に伸びてしまいバリが形成されます。

参考記事:『樹脂・ゴムのバリの発生について|三昌研磨材株式会社

下記記事では、樹脂とあわせてバリが発生しやすい「金属バリ」の特徴について詳しくまとめていますので、金属バリについてお悩みの方は、下記記事もあわせてご覧ください。

関連記事:『金属バリ取りはなぜ難しい?理由や実際の「バリ取り方法」を解説

樹脂製品のバリ取りが難しい「3つ」の理由

①:樹脂ごとの「硬度・弾力」を考慮する必要があるため

樹脂(プラスチック)は種類によって、硬度や弾力性が大きく異なります。

例えばポリエチレンのような柔らかい樹脂であれば、切削工具でバリ取りを行うと歪んだり、変形したりする可能性がありますし、ポリカーボネートのような硬い樹脂の場合は、変形しない程度の「適度な力加減」で削る必要があります。

このように、一口に「樹脂のバリ取り」といっても、材質ごとの特徴を踏まえ慎重にバリ取りしなければならないというのが樹脂バリ取りの難しい点です。

②:「熱溶け」する恐れがあるため

樹脂は金属に比べて、融点や軟化点が低いため、バリ取り中に発生する熱によって形状が変形する可能性があります。

例えば、高速回転するような切削工具を使って摩擦熱が発生すると、樹脂製品が溶けてしまう恐れがあります。

③:バリ残しが許されない製品が多いため

樹脂製品の中には、医療器具や自動車部品、こども向けの玩具なども多くあるため、バリの削り残しについても、厳格な品質基準を満たす必要があります。

特に医療器具などでは、小さなバリ残しであっても、製品性能や人体に影響を及ぼす可能性があるため、非常に高いレベルのバリ取り精度が求められます。

それに加えて、先にも解説したような硬度や弾力、熱の影響を考慮しながら、製品に寸分の狂いもないようバリ取りを行う必要があるため、バリ取りの難易度も高くなってしまうというわけです。

樹脂製品のバリ取り方法は?

手作業によるバリ取り

最もシンプルでありながら、非常に精度の高いバリ取りが行えるのが「手作業によるバリ取り」です。

特に工業製品における手作業バリ取りは、人の手によってひとつひとつ丁寧にバリ取りが行われるため、精度が高く、小さなバリや複雑な形状のバリ取りにも適しているのが特徴です。

また手作業であれば、上記で解説したような「力加減の調整」も簡単なため、特に樹脂製品のバリ取り作業においては、今でもよく行われている方法なのです。

また手作業でのバリ取りでは、ベルトサンダーやハンドリューター、ヤスリといったさまざまな道具を使い分けられるため、製品サイズやバリ取り箇所にあわせて簡単に削り具合を調整できるのも大きなメリットです。

一方で、製品の質が「作業者の熟練度」に左右されることや、人件費(製作コスト)がかさんでしまうことがデメリットとして挙げられるため、近年ではザックリとしたバリ取りは「機械」に、仕上げ作業を「作業者」に、といったように、最終的な仕上げのみ手作業で行うケースも増えてきました。

下記記事では「手作業バリ取りのコツ」について、専門家の視点でより詳しく解説していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

関連記事:『手作業でのバリ取りのコツは?作業時のポイントからおすすめ工具まで解説!

水流・エアブラストによるバリ取り

水流やエアブラストによるバリ取りは「高圧の水流・空気」をバリに吹きつけ、機械的に取り除く方法です。

特に大量にバリが発生する製品の場合に、これらの方法でザックリとバリを落とすことができます。

また水流やエアブラストは、刃物を製品に当てるわけではないため、製品表面を傷つけずにバリ取りすることが可能なのです。

化学的バリ取り(化学研磨)

化学的バリ取り(化学研磨)とは、化学薬品などの研磨剤を使用して、樹脂のバリを溶解するバリ取り方法です。

化学的バリ取りは、特に人間や機械ではどうしても削りきれない、細かなバリを取り除く際にも効果的で、樹脂だけでなく、金属製品のきめ細かなバリ取りの際に使用されています。

一方で、すべての樹脂が化学的バリ取りに適しているわけではなく、特に人体に触れる機会が多い製品には用いることができないケースがあるため、使用されている製品は限られているといえるでしょう。

ロボットによる自動バリ取り

近年では、ロボット技術を利用した「バリ取りの自動化」を行うケースも多くなってきました。

これまでロボットを使ったバリ取りというと、大掛かりな機械の導入が必要なことが一般的でしたが、小型ロボットを使用すれば、大掛かりな設備準備と比べて経済的にバリ取りを自動化できるようになりました。

またこれまでのバリ取り機では、製品形状に追従しないため熟練工の手作業によるバリ取り品質を提供することが難しいという課題がありましたが、近年では技術進歩により、ロボットによるバリ取りでも、「熟練工の技」に匹敵する品質を実現できるようになってきたのです。

下記記事では「ロボットによるバリ取り自動化」について、専門家の視点でより詳しく解説していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

関連記事:『バリ取りロボットで作業を自動化!導入費用やメリットまで詳しく解説!

FINESYSTEMの「バリ取り自動化」技術で
樹脂(プラスチック)のバリ取りに大きく貢献!

本記事でも解説した通り、樹脂製品のバリ取りは「硬度」や「熱」など、素材の特性を踏まえた切削が必要なため、基本的には手作業で行うのが当たり前とされてきました。

しかし近年では、バリ取り工具やバリ取りロボット技術の進歩により、金属のような硬い材質であっても、ロボットによるバリ取りの自動化が行えるようになりました。

また、バリ取り自動化を前向きに検討されている企業の中でも、

  • 自社でできるかわからない…
  • 導入後のプログラミング(ティーチング)ができる技術者がいない…
  • ロボットに熟練工レベルの仕上がりが再現できるのか不安…

などのお悩みから、導入を諦めてしまう企業様も少なくありません。

FINESYSTEMでは、ロボットを活用したバリ取りに関するあらゆる自動化で、お客様のお悩みを解決し生産性向上のお手伝いをします!「無償バリ取りトライ」も行っており、事前にバリ取り品質をご確認いただけます。

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上記のような内容でお悩みなら、ぜひ一度お問合せくださいませ!

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下記記事では、FINESYSTEMのバリ取りロボットの精度が高い秘密「フローティング機構」について詳しく解説していますので、バリ取りロボットの導入をご検討中の方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください!

関連記事:『フローティング機構とは|バリ取り自動化に向けて知っておきたいこと

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鋳造・鋳鉄製品の「切断ツール」について|種類からワーク別の推奨製品まで紹介

鋳造・鋳鉄製品の「切断ツール」について|種類からワーク別の推奨製品まで紹介

鋳造・鋳鉄ワークにおける「切断」とは? バリ取りにおける「切断」とは、鋳造製品の湯口(原料の流し込み口)部分に残る“突起”を切断することなどを指します。 本記事では、バリ取り自動化の第1フェーズ「切断」で使用するツールについて詳しく解説していきます。 切断ツールの種類 まずは切断で使用されるツールについてです。 切断は「削る」というよりもワークそのものをばっさりカットしますので「大型刃物」のようなツールが使用されます。詳しく見ていきましょう。 1. ダイヤモンドディスク 表面にダイヤモンド砥粒が付いた研削ディスクで、主に鋳鉄・鋳鋼などの硬い素材の切断に用いられます。   ただし切断中に過熱や振動が発生するため、鋳鉄よりも柔らかいアルミ鋳造素材には、次に紹介する「チップソー」が利用されます。 鋳鉄とアルミダイキャストの違いについては、こちらで詳しく解説しています。 関連記事:『ダイキャスト(ダイカスト)とは|鋳造との違いや製品事例も解説』 2. チップソー チップソーは先端に「超硬チップ」が取り付けられた丸ノコギリ式のツールです。 丸ノコギリが高回転するため金属の切断に向いている上、ダイヤモンドディスクのような発熱も少なく、アルミダイキャスト等のワーク切断で利用されます。 ◯ チップソーの構造 3. 切断砥石 切断砥石は、砥石の円周部で金属をカットするディスクカッターです。 高速回転によって大きな切断力を発揮し、厚みのある金属にも対応できるため、大量生産ラインにも適しています。 ただし摩耗が激しいため、定期的な交換・管理が必要になります。 4. 超音波カッター 超音波カッターはツール先端の刃物を微振動させることで、切断を行います。主な切断ワークは「樹脂製品」で、上で紹介したような工具では切除が難しい際に利用されます。 ◯ 切断ツールと対応素材   アルミ製品 (ダイキャスト含む) 鋳鉄 ステンレス 樹脂・ゴム 砂型 ツール ダイヤモンドディスク - 〇  - - - チップソー 〇 × × - - 切断砥石 △ △ △ △ - 超音波カッター × × × 〇(ゴムは×) × 「切断自動化」の注意点 ツールは消耗品 切断ツールは「消耗品」ですので、定期的な交換が必要です。 また消耗具合もワークの特徴や運用方式によっても異なりますので、交換頻度は運用してみないことには分かりません。 “高トルク”が必要 特に金属切断の場合は、ツールの性能はもちろんマシン側のトルクと剛性も必要です。 バリ取りの自動化では「切断 〜 仕上げ加工」までを“バリ取り”と呼んでいますが、切断で必要なトルクと、微細な仕上げを行う際のトルク出力は“全く”異なります。 ですので基本的には、 切断用ロボット 荒加工ロボット 仕上げ加工用ロボット と、必要なトルク出力に合わせた「複数のバリ取りマシン」を導入いただく必要があります。 FINESYSTEMの「AFシリーズ」なら“切断〜仕上げ”まで1台で完結! バリ取りでは通常、「切断」「荒加工」「仕上げ」の工程毎に専用機を用いたり、部分的に職人が手作業で加工を行うのが主流ですが、当社システムでは全加工工程を”ロボット”で完結。 ボトルネックとなっていた加工工程をシームレスに自動化することで、人的コストの削減だけでなくサイクルタイムの大幅短縮を実現します。 また実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい短縮できるのか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

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ダイキャストのバリ取りも自動化!?鋳造製品の「荒加工」に必要なツールを解説

ダイキャストのバリ取りも自動化!?鋳造製品の「荒加工」に必要なツールを解説

製造における「荒加工」とは 荒加工とは、大きいバリをざっくりと取り除き、ワーク形状を整える作業です。 本記事では、バリ取り自動化における第2フェーズ「荒加工」で使用する切削ツールについて詳しく解説していきます。 荒加工には“エンドミル”が主流 荒加工ツールは、切断したワークをある程度整える、いわば切断と仕上げの“中間”を担うツールです。 エンドミルは、湯口切断後のゲート跡の荒削りとして使用します。 基本的にはツールの“側面”で切削するため、広い面でざっくりとバリ取りするのに向いています。対象ワークは金属全般、主にアルミ製品(アルミダイキャスト)、鋳鉄・鋳鋼、ステンレスなど幅広く使用可能です。 特に精密な加工が必要とされるダイキャスト製品の加工については、こちらの記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。 関連記事:『ダイキャスト(ダイカスト)とは|鋳造との違いや製品事例も解説』 「荒加工の自動化」の注意点 ツールは消耗品 まずエンドミルなどの荒加工ツールは「消耗品」です。そのため定期的な交換が必要となります。 また消耗具合もワークの特徴や運用方式によっても異なりますので、交換頻度は運用してみないことには分かりません。 トルク不足による「削り残し」 荒加工で大きなバリを削り取る場合、その分トルクと剛性が必要になります。 いかに切削精度の高いツールを選んだとしても、ホルダから伝わるトルクが弱いと写真のように削り残しが発生してしまいます。 当社製品(AFシリーズ)でいうと、荒加工の場合は「AF40以上」のトルク出力を推奨しています。 当社のホルダラインナップについてはこちらをご覧ください。 関連ページ:『バリ取り自動化について|株式会社FINE SYSTEM』 FINESYSTEMはラインナップを充実!あらゆるバリに対応可能! 本記事でも紹介したように、荒加工はワークによってバリサイズが大きく違うため、ツールを豊富に揃えるだけではバリ取り精度は上がりません。必要なのはワークに合うツールの準備と、それにあわせた「ホルダの選定」です。 FINESYSTEMのバリ取りホルダ「AFシリーズ」は、豊富なホルダラインナップを展開しているため、荒加工はもちろん、鋳造直後の湯口切断から、これまで熟練工の業といわれてきたきめ細かな仕上げバリ取りまでを“ロボットで自動化”できるようになりました。 当社AFシリーズのホルダラインナップ   AF150 AF110 AF40 AF30 AF20 AF10 切断 〇 〇 △ × × × 荒加工 〇 〇 〇 × × × 仕上げ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 もちろん導入サポートから、その後のティーチング、万一のトラブル対応まですべてサポート。導入前の「バリ取りトライ」も行っていますので、事前にバリ取り品質をご確認いただけます。 バリ取り自動化を検討しているが、どこに依頼すべきか分からない 自社製品に見合ったクォリティが出せるか、確認してから依頼したい 導入から保守まで全部お任せしたい 上記のような内容でお悩みなら、ぜひ一度お問合せくださいませ! >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

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アルミニウム製品の「バリ取り自動化」の答え|FINESYSTEMの特許技術で実現!

アルミニウム製品の「バリ取り自動化」の答え|FINESYSTEMの特許技術で実現!

アルミ製品のバリ取り作業を手作業で行っている現場の皆さん、「今の精度を維持しながら、どうやって技術を次世代に継承していくか」という課題に直面していませんか。 結論からお伝えすると、この課題を根本的に解決する道は「ロボットによる自動化」と当社では定義しています。 この記事では、アルミのバリ取りが抱える具体的な課題から、自動化への懸念、そしてその懸念を乗り越える解決策まで、包括的に解説しますのでぜひ最後までご覧ください。 アルミのバリ取り現場が抱える3つの課題とは? アルミ製品のバリ取り現場では、素材特性・精度・人材の3つの側面から課題に直面しています。これらは相互に関連し合い、現場の生産性と品質に大きな影響を与えているのが現状です。 課題①:【素材面】バリが出やすいアルミニウムの特性  アルミニウムは他の金属と比べて柔らかく、延性が高いという特性を持っていますが、この特性がバリ取り作業を困難にする根本的な原因となっています。 切削工具でアルミを削ると素材が塑性変形を起こし、切りくずが完全に分離せずに残った部分がバリとなります。 「アルミは伸びやすい特徴を持つので、切削加工時にはどうしてもアルミが伸びてバリが発生します」と業界でも指摘されているように、この現象は避けられないものです。 さらにアルミニウムは融点が約660℃と低いため、加工熱によって切粉が刃先に溶着しやすい性質があります。刃先にアルミが付着すると切れ味が落ち、表面が粗くなって新たな微小な凸部が残りやすくなります。 穴あけや端面加工においても、刃離れの瞬間にアルミが引き延ばされ、薄いバリとなって残るケースが頻繁に発生します。このような素材特性起因のバリは避けづらく、アルミ加工者にとって常に頭を悩ませる問題となっています。 課題②:【精度面】品質のばらつきと安定供給の問題 手作業によるバリ取りでは、作業者の技量によって仕上がり品質に差が生じやすくなります。これは熟練工であっても避けられない課題です。 人が行う以上、多少の誤差は仕方ありませんが、その誤差が品質のばらつきになります。人の手による作業には限界があるのです。 特に問題となるのは、以下の点です。 日による仕上がりの差 熟練者でも体調や集中力によって仕上がりに差が出る 作業者間の技量差 新人や経験の浅い作業者では、より顕著な品質差が発生 特定人材への依存 一定の熟練度を持つ作業者でないと品質にばらつきが出てしまう これでは計画的な生産量の確保が困難になり、増産対応や他ライン展開にも制約が生じます。結果として、安定した製品供給に支障をきたすリスクが常に存在することになります。 課題③:【人材面】人手不足による技術継承の困難さ バリ取り作業は職人的な勘に依存する領域で、熟練者が長年の経験で培った工具の当て方や力加減をマニュアル化することは極めて困難なのが実情です。 現在、多くの現場で「若い世代への技術伝承が追いつかず、ベテランが退職すると後継者育成が間に合わない」という深刻な問題が発生しています。少子高齢化の進行により、技術を継承する若手人材も限られている状況が拍車をかけています。 さらに、バリ取り作業は3K(きつい・汚い・危険)作業の代表格として若い人から敬遠されがちなため、募集をかけても応募が少なく、バリ取り担当者の高齢化が進行しています。 経済産業省の調査では、製造業の94%以上が人材確保に課題を抱えているとされ、特に地方工場では若年労働者の確保が困難な状況です。このような慢性的な人手不足と高齢化による技術流出が重なり、「このままでは匠の技が消えてしまう」という危機感が業界全体に広がっています。 関連記事:『「人件費+導入コスト」で試算する|バリ取り自動化の投資対効果を解説!』 高い精度が求められるアルミワークの例 アルミ部品の中でも、特に高精度なバリ取りが要求される分野では、わずかなバリの残存が重大な問題を引き起こす可能性があります。 自動車・二輪車部品 エンジンやブレーキなどの重要部品において、微細なバリが組立不良や摩耗の原因となります。 バリが残ったままだと部品同士が正確にはまらずトラブルが発生したり、運転中の振動でバリが剥がれて他部品を傷つけ、摩耗を早める原因となります。 航空機・宇宙機器部品 極めて厳しい品質基準が設けられており、わずかなバリが重大事故につながりかねません。アルミ合金製の航空機部品にバリがあると、隣接部品との干渉や機体の安全性に直接影響を及ぼす可能性があります。 建設機械・産業用ロボット部品においては、油圧機器やロボット可動部でのバリ残留がシール不良やリーク事故を招く恐れがあります。特に油圧バルブの通路にバリがあると密閉不良により油漏れを起こし、装置の機能停止や故障につながる危険性があります。 医療機器・精密機器部品 人体に触れる機器においてバリは絶対に残してはならない要素です。 例えばカテーテルの先端にバリがあれば、感染症や組織損傷のリスクが高まります。また、電子精密機器では微小なバリが回路をショートさせ、機器故障の原因となることもあります。 このように、高精度・高信頼性が要求される分野ほど、バリ取りの徹底が安全性と機能性確保のための重要なステップとなっています。 結論:これらの課題を解決するのが「自動化」 上の課題はいずれも人に依存することから生じる構造的な問題です。抜本的な解決を図るには、人手そのものを介さない方法、つまり“自動化”が必要不可欠となります。 業界でも「バリ取りに関しても手動での実施には限界があるため、なるべく人が介在しない方法を模索していく必要がある」との指摘があり、人手不足が深刻化する中で「これまで人が行っていた作業を自動化することで加工時間や人件費を削減できる」という期待が高まっています。 実際、製造業全体で自動化は様々な工程に広がっており、バリ取りも例外ではありません。「人手不足時代においてはバリ取りのやり方自体を見直すことが求められて」いる現在、自動化を検討しない選択肢はもはや存在しないといえるでしょう。 品質面での個人差、人材面での技術継承困難、そして素材特性による避けがたいバリ発生。これらの課題が構造的である以上、自動化するのが抜本的な解決になるというのが現実的です。 バリ取り自動化で直面する2つの大きな懸念 自動化が唯一の解決策だとしても、多くの企業が導入に踏み切れない理由があります。それは品質面と人材面での2つの大きな懸念です。   懸念① 手作業と同等以上の精度を維持できるか? 従来のロボットは教えた通りの動きしかできず、ワーク毎の微妙な個体差やイレギュラーなバリ形状に柔軟に対応できないという弱点がありました。 そのため「ロボットで完全にバリ取りするのは不可能」と考えられ、実際には「粗取りだけロボット、仕上げは人」という半自動化止まりが一般的でした。 産業用ロボットは決められた動作を繰り返すのは得意ですが、予想外の形状変化には対応できません。バリの大小や材質のばらつきに応じて、その場で力加減を調整するといった芸当は苦手分野でした。 この結果、多くの現場で「ロボットだけでは細部の仕上げ品質に不満が残り、結局人手で最終仕上げしている」という状況が見られました。 特に問題となるのが、ロボットの動きによる典型的なミスである「空振り」(バリの削り残し)と「えぐり」(削りすぎて製品を傷つける)です。 リジッド機構では空振りが、スプリング機構では反発力によるえぐりが起こりがちで、「空振り・えぐりは必ず出てしまうもの」と諦められてきました。このような背景から、「機械では職人のような繊細な調整ができず、仕上がり精度が落ちるのでは」という懸念を抱く企業が多いのが現状です。 ▲リジッド機構の内部 ▲スプリング機構の内部 関連記事:『リジッド機構とは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!』 関連記事:『バネ機構ホルダとは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!』 懸念② 専門知識を持つオペレーターが必要になるのでは? 産業用ロボットを動かすには、ティーチング(動作のプログラミング)が不可欠です。 しかし、ティーチングは誰でもできるわけではなく、労働安全衛生法で定められた特別教育を受けた担当者のみが実施を許されています。(労働安全衛生規則第36条第31号) さらに、高い仕上がりを得るには動作プログラムの微調整が必要で、この作業にも相応の時間と工数がかかります。中小企業ではこうしたスキルを持つ人材は少なく、実際に「FA化の担当者がいなくて見送った」というケースも少なくありません。 それだけではなく、ロボットを導入した後もプログラムの保守・改善など継続的な対応が必要になります。社内にそれができる人材がいなければ外部に依存することになり、「トラブル対応の遅れ」や「機械への対応人材不足」が設備導入の足かせとなります。 「せっかく自動化しても、使いこなせなければ宝の持ち腐れでは?」という懸念は、まさに多くの企業が抱える共通の不安になっているわけです。   「FINESYSTEMの独自技術」がその懸念を解決します これらの懸念は確かに従来技術では避けがたい課題でしたが、FINESYSTEMの特許技術と包括的なサポート体制により、これらの問題がすべて解決可能になりました。 特許技術「エアフロート機構」で精度不安を完全解消! FINESYSTEMが開発したエアフロート式バリ取り機構は、従来のバネ式フローティング機構を大幅に発展させた独自技術です。 この技術の核心は、圧縮エアで工具の押し当て力(フロート力)を制御し、軸元に特許取得の「複数ボールガイド」を配置することで、刃先がワーク形状にスムーズに追従できる点にあります。 これにより、「ここからここまで削る」という最低限のティーチングをするだけで、まるで熟練工の手首のようななめらかな伸縮・傾動動作が可能となりました。 空振り・えぐりをゼロ化 削り残しも製品削り込みも発生しない高精度バリ取りを実現 一定のフロート力 常に安定した力で加工するため、箇所ごとのスプリング交換が不要に サイクルタイム短縮 ティーチング点数削減により作業効率が大幅向上 労災リスク低減 危険なグラインダー作業から人を完全に解放されます。この特許技術により、従来「不可能」とされていた完全自動化でのバリ取りが現実のものとなっています。 導入から運用まで徹底サポートで人材不安も解消 FINESYSTEMでは、導入からティーチング、アフターサービスまで一括サポートする「一気通貫性」を整えており、企業様に専門人材がいなくても安心して運用できます。 サポート内容: 設計から据付まで ロボットシステムの設計・組立から現地据付、プログラム調整まで専門チームが対応 無償バリ取りトライ 導入前に実際のワークで仕上がり品質や加工サイクルを確認 現場サポート 導入後も必要に応じて現場での操作指導やプログラム修正を支援 一貫提供 ロボット導入からツール選定、加工条件設定、ティーチング作業まですべてを対応 そのため新たな専門技術者を抱える負担をかけることなく、スムーズな自動化移行が可能となります! 費用対効果の向上で投資回収も! FINESYSTEMの自動化ソリューションでの高品質かつ安定した加工により不良や手直しを激減させるため、歩留まり改善による以下のような効果が期待できます。 バリ取り工数の"約83%”を削減:当社バリ取りシステムの導入により、バリ取り作業にかかる作業時間を「24分」から「4分」に削減。 生産ラインの効率改善:前工程に合わせてバリ取りロボット・バリ取りセルのサイクルタイム(生産スピード)を調整し、1人で2台のバリ取りロボットセルを担当できるようになりました。 健康障害リスクを大幅軽減:当社システムでバリ取りを自動化したところ、「腱鞘炎や塵肺症などの症状を訴える社員数が0件になった」という事例も! アルミニウムバリ取りの自動化ならFINESYSTEMにお任せください 本記事でも紹介した通り、当社は「以前導入していたけれど、諦めてしまった…」という企業様の悩みを踏まえて、今日まで研究・開発を行ってきました。そのため、 進化したロボットは気になるけど、また同じ結果にならないか心配… 自社製品のバリ取りを自動化できるのか… といった不安を解消すべく、実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい削減できるのか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。

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ダイキャスト(ダイカスト)製品にバリは発生する?バリ取り方法も詳しく解説!<!--112公開用-->

ダイキャスト(ダイカスト)製品にバリは発生する?バリ取り方法も詳しく解説!

そもそも「バリ」とは? バリとは、金属加工や樹脂(プラスチック)加工の過程で発生する、突出部や余分な部分を指し、一般的には不規則で鋭角な形をしています。 JIS規格: JIS B 0051では「かどのエッジにおける、幾何学的な形状の外側の残留物で機械加工または成形工程における部品上の残留物」と定義されています。例として、金属を切削したり圧力をかけて成形したりするときに、素材が伸びながら引き裂かれていく過程でバリが形成されます。 <アルミダイキャストのバリの例> バリは、成形の他にも切削加工や溶接箇所、表面処理などさまざまな場面で発生しますが、部品の精度向上・利用者へのケガ防止などのためにも、必ず取り除くべき存在とされているのです。このような突出部や余分な部分を除去する工程を「バリ取り」と呼んでいます。 下記記事では「バリ取りの必要性」について、より詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください! 関連記事:『バリ取りって何?「バリ」の発生原因から行う理由・方法まで詳しく解説!』 ダイキャスト(ダイカスト)製品の「バリ取り」が難しい理由 そもそもダイキャスト(ダイカスト)とは、アルミニウムや亜鉛、マグネシウムなどの非鉄金属合金を溶かした状態で、高速・高圧で金型に流し込んで成形する「鋳造法」のひとつです。圧力をかけて成形することから、金型によっては、複雑で精密な形状を成形できることが大きなメリットとされています。 一方でダイキャストのバリ取りは、形状や材質によって削りやすさ・硬さが異なるなどの細かな調整が必要なため、一般的な金属製品や樹脂製品よりも難しいのです。 「そもそもダイキャストって何…?」という方は、下記記事でダイキャストについて詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『ダイキャスト(ダイカスト)とは|鋳造との違いや製品事例も解説』 ダイキャスト製品にバリが発生する要因 型合わせ不具合によるバリ 先にも述べたように、ダイキャスト(ダイカスト)とは、アルミニウムや亜鉛、マグネシウムなどの非鉄金属合金を溶かした状態で、高速・高圧で金型に流し込んで成形する「鋳造法」のひとつです。型合わせ不具合によるバリは金型の噛み合わせ部分に生じる隙間に材料が流れ込むことで形成されるバリです。 例えば、アルミ材料を用いる場合、650℃以上の高温で成形しますが、想定外の変形等が発生したとき、型の合わせ面に隙間ができます。この隙間に材料が流れ込み、余分な部分が形成されてしまうのです。 かじりによるバリ 製品を離型する際、製品が引っ張られてちぎれた状態になってしまうことでもバリが発生します。 これは抜き勾配が不充分であることや、角Rが小さすぎることにより、金型から製品を取り出す際に、製品がちぎれてしまう状態になり、その部分がバリとして発生してしまうのです。 成形機の選定ミスによるバリ 成形時の型締力が不足すると金型が開いてバリの発生原因となってしまうため、適切な成形機を選定することが必要です。 製品の重量やサイズに合わせて成形機を使わなければ、バリが多く発生します。 ダイキャスト(ダイカスト)製品のバリ取り方法は? 手作業バリ取り 手作業バリ取りでは、ベルトサンダーやハンドリューター、ヤスリなどが使用され、製品の表面を滑らかに仕上げるために行われます。 手動バリ取りは、製品の微細な部分に対しても高い精度と細やかな調整が可能なため、ダイキャスト製品のバリ取りでも重宝されている方法です。 下記記事では手作業でのバリ取りについてより詳しく解説していますので、ぜひ下記記事もあわせてご覧ください! 関連記事:『手作業でのバリ取りのコツは?作業時のポイントからおすすめ工具まで解説!』 機械バリ取り 機械バリ取りには、主にバレル研磨、ブラスト研磨、ベルト研磨などといったバリ取り方法があります。 これらは、現代のダイキャスト工場でも広く採用されており、特に大量生産を行う小型のアルミ合金ダイキャスト製品に適している方法です。 例えばバレル研削は、製品と研磨材を特殊な容器に入れ、かき混ぜた際の摩擦でバリを除去し、サンドブラストでは高速で砂などの研磨材を吹き付けることで表面を滑らかにし、バリを取り除きます。 ベルト研磨は研磨材が塗布された研磨ベルトを高速回転させ、そのベルトに製品を当ててバリを削ります。機械バリ取りには、材質、形状、サイズ、生産量、最終的な表面仕様により様々な方法があります。 トリミングバリ取り ダイキャスト製品では、金型(プロダクションダイ)の接合面から微細な金属がはみ出ることでもバリが発生します。 そこで、ダイキャスト製品に適した「バリ取り用のパンチ」と「プロダクションダイ」の連携によるトリミングを行うことで、単純な切り離し(パーティング)面を持つダイキャスト製品のバリを簡単に取り除くことができ、手作業バリ取りに比べて非常に効率的にバリを取り除くことができるのです。 一方で、手作業や機械による入念な削り残しのチェックが行われない方法でもあるため、手作業や機械での仕上げバリ取りと組み合わせることで、より高度なバリ取りを実現できます。 バリ取りロボットによる「自動バリ取り」 自動バリ取りの原理は、手動で行う方法と基本的には同じですが、大きな違いは、文字通りバリ取り作業を「人の手からロボットへと変えること」にあります。バリ取りロボットは、プログラミング技術によってバリ取り作業が自動で行えるようになります。 具体的には、圧力と速度を適切に調整することで、手作業バリ取りよりも効率的で精密なバリ取りが可能になり、工数削減にも寄与するのです。 またこれまでロボットによるバリ取りは「手作業よりも精度が低いもの」とされてきましたが、近年ではバリ取り工具やプログラミング技術の発展により、熟練工同様の精度のバリ取りをロボットできるようになったのです。 下記記事ではロボットによる「バリ取り自動化」について、メリット・デメリットも踏まえてより詳しく解説していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください! 関連記事:『バリ取りロボットで作業を自動化!導入費用やメリットまで詳しく解説!』 参考記事:『アルミニウムダイカスト部品のバリ取りの4つの方法』 FINESYSTEMなら、バリ取り自動化における 導入からティーチングまで一括サポート! これまでダイキャスト製品のバリ取りをロボットで自動化するためには、ロボット設置やロボットティーチング(プログラミング)などの専門的な知識のある人材が必要とされてきました。 そのため、バリ取り自動化を前向きに検討されている企業の中でも、 自社でできるかわからない… 導入後のプログラミング(ティーチング)ができる技術者がいない… ロボットに熟練工レベルの仕上がりが再現できるのか不安… などのお悩みから、導入を諦めてしまう企業様も少なくありません。 FINESYSTEMでは、ロボットを活用したバリ取りに関するあらゆる自動化で、お客様のお悩みを解決し生産性向上のお手伝いをします!「無償バリ取りトライ」も行っており、事前にバリ取り品質をご確認いただけます。 バリ取り自動化を検討しているが、どこに依頼すべきか分からない 自社製品に見合ったクォリティが出せるか、確認してから依頼したい 導入から保守まで全部お任せしたい 上記のような内容でお悩みなら、ぜひ一度お問合せくださいませ! >>お問い合わせはこちらから >>バリ取り・RBハンドリングのトライのご相談はこちらから

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鋳造バリ取りの自動化について|従来の課題から解決策まで詳しく解説<!--011公開用-->

鋳造バリ取りの自動化について|従来の課題から解決策まで詳しく解説

鋳造バリとは 鋳造製品とは、金属を溶かし、特定の形状の型に流し込んで冷却・固化させることによって作られる製品です。この製造方法は、複雑な形状や大きな製品を作るのに適しており、様々な産業で利用されています。例えば、自動車の部品、機械の部品、建築資材などです。 鋳鉄(ちゅうてつ)製品のバリ取り 鋳鉄製品とは、鉄を主成分とする合金を高温で溶かし、型に流し込んで成形した製品です。鋳造過程で型合わせの不具合、型の損耗や損傷による隙間、冷却・収縮の不均一などによって、型からはみ出た部分がバリとなります。 ダイキャスト(ダイカスト)製品のバリ取り ダイキャスト製品とは、主に亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどの非鉄金属の合金を高温で溶かした状態で、高速・高圧で金型に流し込んで成形した製品です。ダイキャスト製品は、鋳造法の中でも特に精密な成形が可能ですが、型合わせ不具合やかじり、成形機の選定ミスなどによってバリが発生することがあります。 ダイキャストについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記記事もあわせてご覧ください。 関連記事:『ダイキャスト(ダイカスト)とは|鋳造との違いや製品事例も解説』 鋳鉄製品、ダイキャスト(ダイカスト)製品のバリ取り バリは意図しない突出部や余分な部分のことで、組み立て工程でのケガや、組み付け不良など、さまざまトラブルの原因となるため、鋳鉄製品もダイキャスト製品も基本的には除去が必要です。これらのバリは、工具を使った手作業や工作機械などによる機械加工によって除去します。 鋳造バリ取りが抱えてきた課題 鋳造製品というのは、型を使って成形される大きな製品が一般的で、具体的なものでいえば「自動車の車体パーツ」などが挙げられます。 鋳造製品は製品の品質を守るためにも正確なバリ取りが要求されるのに加え、金属の強度や製品形状など、そもそも「バリ取り作業が大変」という2つの課題がありました。また従来の鋳造品のバリ取りは道具こそ使用するものの、基本的には手作業で行われてきました。 これにより、バリ取り精度は作業者の技術や経験に大きく依存してしまいますし、手作業による時間効率の悪さも生産性の低下を招いていました。 そこで近年では、バリ取り作業そのものを機械(ロボット)に置き換える動きが主流となってきているのです。 ロボットの導入”だけ”では不十分 FINESYSTEMが辿りついた、独自の「バリ取り理論」 近年、鋳造バリ取り作業は、ロボット導入による自動化によって、手作業でのバリ取りから大きく効率化されるようになりました。しかしバリ取り自動化というのは、質の高いロボットの導入はもちろん、バリ取りのためのツール選定やロボットティーチング(プログラミング)など、あらゆる項目が100%理想の状態となって、ようやく手作業に勝る品質に迫りさらに効率化を実現できるのです。 例として、当社がツール選定や加工条件、ティーチング(プログラミング)を最適化することによりバリ取り品質を改善し加工時間を短縮できた事例がございます。 当社のエアフロート式バリ取りアタッチメントで他社がバリ取りを自動化したお客様より、目標のバリ取り品質や加工時間を達成できないとご相談をいただきました。当社の作業者がお客様の自動バリ取り機のツール選定、加工条件、ロボットティーチングを修正しました。 このように当社のエアフロート式バリ取りアタッチメントと最適なバリ取り条件を提供することにより、加工時間を約30%短縮しながらバリ取り品質についてもお客様より合格の判断をいただくことができました。 当社では商品単体の販売だけではなく、ロボット導入から始まり、ツール選定や加工条件、ティーチング作業までをすべて一貫して提供することで、これまで難しいとされてきた「鋳造製品のバリ取り自動化」において、非常に高い精度・生産性を実現できるようになったのです。 当社のバリ取り自動化におけるこだわりについては、ぜひ下記記事もあわせてご覧ください。 関連記事:『「バリ取り自動化」に革命を|FINESYSTEMのバリ取りシステム開発について』 FINESYSTEMなら、バリ取り自動化における 導入からティーチングまで一括サポート! これまで鋳造製品のバリ取りをロボットで自動化するためには、ロボット設置やロボットティーチング(プログラミング)などの専門的な知識のある人材が必要とされてきました。 そのため、バリ取り自動化を前向きに検討されている企業の中でも、 自社でできるかわからない… 導入後のプログラミング(ティーチング)ができる技術者がいない… ロボットに熟練工レベルの仕上がりが再現できるのか不安… などのお悩みから、導入を諦めてしまう企業様も少なくありません。 FINESYSTEMでは、ロボットを活用したバリ取りに関するあらゆる自動化で、お客様のお悩みを解決し生産性向上のお手伝いをします!「無償バリ取りトライ」も行っており、事前にバリ取り品質をご確認いただけます。 上記のような内容でお悩みなら、ぜひ一度お問合せくださいませ! >>お問い合わせはこちらから >>バリ取り・RBハンドリングのトライのご相談はこちらから

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金属バリ取りはなぜ難しい?理由や実際の「バリ取り方法」を解説<!--113公開用-->

金属バリ取りはなぜ難しい?理由や実際の「バリ取り方法」を解説

そもそも「バリ取り」って何? バリとは、金属加工や樹脂(プラスチック)加工の過程で発生する、突出部や余分な部分を指し、一般的には不規則で鋭角な形をしています。また金属の鋳造や樹脂の射出成形のような「型」を利用した加工においても、バリは発生します。 このときのバリの発生原理としては、鋳造や成形中に型の合わせ目や部品と型の間隙から材料が漏れ出し、その部分が固まり、型などの合わせ目に沿った形状のバリとして現れるのです。   <金属の切削加工バリとアルミダイキャストの成形バリの例> 切削や成形の他にも溶接や表面処理などさまざまな場面でバリは発生しますが、部品の精度向上・利用者へのケガ防止などのためにも、必ず取り除くべき存在とされているのです。 発生したバリを除去する工程を「バリ取り」といいます。 下記記事では「バリ取り」についてより詳しく解説していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『バリ取りって何?「バリ」の発生原因から行う理由・方法まで詳しく解説!』 金属のバリ取りが難しい「5つ」の理由 ①:他素材と比べて「硬さ・強度」が高いから 金属の「硬さ」「強度」は、金属バリ取りを難しくさせる大きな要因です。 特に、硬度が高い鋼やチタンなどを含む合金の場合、一般的なヤスリなどの工具では簡単には削除できない固いバリが形成されることがあります。 また、金属の硬度によっては、工具の摩耗が激しくなり、頻繁な交換が必要になることもあるのです。 ②:「バリの種類」がさまざまだから 金属製品は加工方法によってそれぞれ異なる種類のバリを生じます。 例えば鋳造であれば、金属が型に流し込まれる際、型の細かい隙間から微細なバリが生じ、これらのバリは非常に小さく、取り除くのに工夫が必要です。 また切削では、刃物や砥石が素材を削り取る際にバリが生じることがあり、形状が複雑なバリが発生しやすいです。 このように金属製品の「加工方法・製造過程の違い」によって、さまざまな形状のバリに対応していかなければいけないのです。 ③:「精度・品質」の要求値が高いから 金属製品はその強度から、自動車部品や医療器具などの精密機器の製作にもよく利用されます。 当然これらは「精密機器」なわけですから、バリの削り残しはあってはならず、確実にバリを取り除かなければいけません。 もちろん、バリの削り残しは「製品の安全性」にも直接関係するため、上記のような精密機器の場合では、微細なバリひとつが人間に被害をもたらす場合すらあるのです。 そのため、バリ取り作業も非常に慎重に行う必要があり、作業者の経験や熟練の技術が不可欠となってくるのです。 ④:バリ取り技術に限界があるから バリ取りにもさまざまな方法がありますが、もちろんそれぞれ、バリ取りできる範囲には限界があります。 手作業によるバリ取りであれば、機械では難しい作業ができますが、非常に労力がかかり、精度も「作業者の技術」に大きく依存する上、大量生産には向いていません。 機械によるバリ取りであれば、製品形状の変化などに対して柔軟な対応が難しく、細かいバリや複雑な形状のバリの除去が困難です。 このように目的や製品に応じた適切なバリ取り方法を選択することが、金属バリ取りを難しくしている要因でもあるのです。 そのため近年では、バリ取り機を「ロボット」に置き換え、バリ取りの自動化を行っている企業も増えつつあります。 ⑤:バリ取り自体が「危険な作業」なため 手作業によるバリ取りでは、切削工具(ベルトサンダー、ハンドリューター、ヤスリ)などが使用されますが、バリや工具で手を切るなど、作業者が怪我のリスクを伴います。 研磨材を使用したバリ取りでは、微細な粉塵が発生することがあり、これが呼吸器系の健康問題を引き起こす可能性もあるわけです。 そのため「効率と安全のバランス」を取りながら、バリ取り品質を確保することが、バリ取り工程における大きな課題となっているのです。 下記記事では、金属とあわせてバリが発生しやすい「樹脂(プラスチック)バリ」の特徴について詳しくまとめていますので、金属バリについてお悩みの方は、下記記事もあわせてご覧ください。 関連記事:『樹脂(プラスチック)バリ取りはなぜ難しい?樹脂向けの「バリ取り方法」を解説』 金属のバリ取り方法とは? 金属製品のバリは、樹脂などのバリと比べて硬いため、より丁寧にバリ取りする必要があります。 ここからは金属製品のバリ取り方法について、詳しく解説していきます。 手作業によるバリ取り 手作業工具(やすりやスクレーパー、研磨ベルトなど)を使った、最も一般的なバリ取り方法です。 人の手で直接除去するため、確実にバリを取り除ける反面、人件費や出来栄えが「作業者の腕」次第で変わってきてしまうのがデメリットといえるでしょう。 機械によるバリ取り マシニングセンタや複合旋盤などの機械に、カッターやブラシなどを取り付けてバリ取りする方法です。機械によるバリ取りでは、品質にバラツキがなく効率的にバリを除去でき、全体の加工時間を短縮できるメリットがあります。 一方で、一台で「すべてのバリ取り」ができるとは限りませんので、いろいろな種類のバリ取り機を導入しなければならない、といったデメリットもあります。 ロボットによる自動バリ取り 近年では、ロボット技術を利用した「バリ取りの自動化」を行うケースも多くなってきました。 これまでロボットを使ったバリ取りというと、大掛かりな機械の導入が必要なことが一般的でしたが、小型ロボットを使用すれば、大掛かりな設備準備の必要もなく、経済的にバリ取りを自動化できるようになりました。 またこれまでのバリ取り機では、製品形状に追従しないため熟練工の手作業によるバリ取りと同等の品質を提供することが難しいという課題がありましたが、近年では技術進歩により、ロボットによるバリ取りでも、「熟練工の技」に匹敵する品質を実現できるようになってきたのです。 関連記事:『バリ取りロボットで作業を自動化!導入費用やメリットまで詳しく解説!』 参考記事:『金属加工の「バリ」とは?発生原因やバリ取りの方法、抑制のコツを解説|さくさく株式会社』 FINESYSTEMの「バリ取り自動化」技術で 金属製品のバリ取りに大きく貢献! 本記事でも解説した通り、金属製品のバリ取りは、ミリ単位の削り残しや、金属独自の「硬度」にも対応すべく、基本的には手作業で行われるのが一般的でした。 しかし近年では、バリ取り工具やバリ取りロボット技術の進歩により、金属のような硬い材質であっても、ロボットによるバリ取りの自動化が行えるようになりました。 また、バリ取り自動化を前向きに検討されている企業の中でも、 自社でできるかわからない… 導入後のプログラミング(ティーチング)ができる技術者がいない… ロボットに熟練工レベルの仕上がりが再現できるのか不安… などのお悩みから、導入を諦めてしまう企業様も少なくありません。 FINESYSTEMでは、ロボットを活用したバリ取りに関するあらゆる自動化で、お客様のお悩みを解決し生産性向上のお手伝いをします!「無償バリ取りトライ」も行っており、事前にバリ取り品質をご確認いただけます。 バリ取り自動化を検討しているが、どこに依頼すべきか分からない 自社製品に見合ったクォリティが出せるか、確認してから依頼したい 導入から保守まで全部お任せしたい 上記のような内容でお悩みなら、ぜひ一度お問合せくださいませ! >>お問い合わせはこちらから >>バリ取り・RBハンドリングのトライのご相談はこちらから 下記記事では、FINESYSTEMの自動バリ取りの品質が高い秘密「フローティング機構」について詳しく解説していますので、バリ取りロボットの導入をご検討中の方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください! 関連記事:『フローティング機構とは|バリ取り自動化に向けて知っておきたいこと』

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