blog

「 砂型バリ取り」を自動化|手作業の限界をロボットで超える具体的な方法・費用・事例

「 砂型バリ取り」を自動化|手作業の限界をロボットで超える具体的な方法・費用・事例

金型鋳造に比べて型費が安く、短納期で試作品や小ロットの製品を製作するのに適している砂型鋳造品。 日常的によく見るもので言うとマンホールや車内部品など、世界のさまざまな工業用品として製造されています。 もちろんこの砂型鋳造品も“鋳造”なわけですから、型取り直後には「バリ」が発生します。 本記事ではそんな砂型・砂中子のバリ取りについての基礎知識から「バリ取りを実現することが可能なのか?」まで詳しく解説していきます! この記事では、こんな疑問に回答します! そもそも砂型ってどんな製品? 砂型のバリ取りが難しい理由は〇〇! 砂型製品の「バリ取り」が自動化できなかった背景 当社FINESYSTEMの解決策 砂型・砂中子とは 砂型(すながた)とは、砂を固めて作る鋳型のこと。 主に金属を溶かして流し込み、目的の形状の鋳物を作る際に使われます。砂型は低コストで製作でき、形状の自由度が高いため、複雑な形や空洞を持つ製品にも対応できます。また、木型をもとに砂を詰めて作るため、試作や単品製作、少量生産に向いています。 一方で砂型は、一度使うと壊して製品を取り出すため、同じ型を繰り返し使う大量生産には不向きです。 また砂の粒度による表面のざらつきや、冷却の遅さによる強度への影響といった短所もあります。しかし、古くから鍋や鐘などの製造に使われてきた伝統的な技術で、現代でも自動車部品やマンホール蓋など幅広く利用されています。 砂型で製造される鋳造品 1. マンホール蓋 マンホール蓋の製造に砂型鋳造が選ばれる理由は、複雑な裏面リブ構造や文字・模様などのデザインを一体成形できることにあります。 砂型は自由な形状表現が可能で、耐荷重性や耐久性が求められるため、厚みや補強リブを自在に設計できます。また、少量多品種や地域ごとのデザイン変更にも柔軟に対応できるため、砂型鋳造が最適です。 2. 自動車用エキゾーストマニホールド エキゾーストマニホールドは、エンジンから排出されるガスを集めて排気管へ導く部品です。 内部に複雑な空洞や曲がりがあり、金型では成形が難しい形状です。砂型鋳造は中子を使って内部空洞を容易に作れるため、複雑な流路を一体で製造できます。 耐熱性や耐久性も高く、試作から量産まで幅広く対応できる利点があります。 3. ポンプケーシング(ポンプ本体外殻) ポンプケーシングは、内部に流体が通る複雑な空洞を持つ大型部品です。 砂型鋳造なら、流路や接続部の複雑な形状を一体で成形でき、機械加工の手間を大幅に削減できます。 少量生産やカスタム仕様にも対応しやすく、耐圧・耐食性のある材料も選択可能なため、産業用ポンプや大型設備に多用されます。 4. 風力発電用ナセルフレーム 風力発電機のナセル(発電機やギアボックスを収容する筐体)は、大型かつ複雑な形状を持ちます。 砂型鋳造は大物鋳物の製造に適しており、設計変更や少量生産にも対応可能です。内部補強や取り付け部など、構造上の工夫も一体で成形できるため、強度とコストのバランスに優れています。 5. 油圧バルブボディ 油圧バルブボディは、内部に複雑な流路や空洞を持つ精密部品です。 砂型鋳造では中子を利用して複雑な内部構造を一体で作ることができ、機械加工の工程を減らせます。多品種少量生産やカスタム設計にも対応しやすく、耐圧性・耐摩耗性のある合金も選択できるため、産業機械や建設機械分野で広く利用されています。 砂型鋳造品も「高精度なバリ取り」が不可欠! 上の事例のように、砂型鋳造品はどれも精密さが重要視されるものばかりです。 また砂型鋳造はコストの低さや多品種少量生産への対応力、大型や複雑形状の製品にも適しているなど、多くのメリットもあります。 一方で、鋳肌が粗く寸法精度が低いという課題もあり、製品の品質を確保するためには、後工程での仕上げ作業(バリ取り)が不可欠。特に、油圧制御バルブなどの精密部品では、わずかなバリや異物が機能不良の原因となるため、徹底したバリ取りと品質管理が求められます。 しかし「鋳肌が粗く寸法精度が低い」からこそ、このバリ取りの作業そのものの“難易度が高い”というのも、砂型の特徴なのです。 砂型・砂中子のバリ取りが難しい理由 1. そもそも不均一になりやすいから 砂型鋳造による鋳物は、複雑で曲面や細かい凹凸を持つ形状が多くなります。 砂型自体が一つ一つ手作業で作られるため、同じ製品でも微妙な違いが生じやすく、バリの発生箇所や大きさも均一ではありません。 手作業でバリを取り除く際、これらの複雑な形状や不均一なバリに対して、ヤスリやナイフなどの工具を使い分けて細かく対応する必要があります。 そのため、作業者には高い技術と経験が求められ、作業時間も長くなってしまうのです。 2:粉塵が発生しやすいから(労災リスク) 砂型製品は特に、加工時の粉塵が発生しやすいため、そもそも作業者への負担が多いワーク素材でもあります。 そのため他ワークと比べてバリ取りが難しく、たとえ熟練工であっても長期的に見ると粉塵による気管支炎などの労災リスクが発生するケースも稀にあります。 3:作業者の“熟練度”が顕著に出てしまうから これは砂型に限った話ではありませんが、手作業によるバリ取りは、作業者の技術や経験に大きく依存します。 いわゆる熟練工であれば細部まできれいにバリを除去できますが、経験の浅い作業者ではバリが残ったり、逆に削りすぎて製品を傷つけてしまうことさえあります。 特に砂型鋳造品は、製品ごとにほんのわずかな違いがあるため、均一な仕上がりを保つには一人ひとりの作業精度が問われてしまうのです。 4:「労力・時間」がかかるから 砂型鋳造はもともと一品一様の製品が多く、バリ取り作業も手間と時間がかかります。 手作業で一つ一つバリを除去するには、製品をしっかり固定し、細部まで丁寧に作業する必要があるため、作業効率が低下します。大量生産の現場では、手作業によるバリ取りは生産スピードのボトルネックとなり、コスト面でも不利です。 また、長時間の作業は作業者の負担も大きくなり、安全面や健康面でも課題が生じてしまいます。 「バリ取りの自動化」が最適解とされることも 砂型加工では上のような難しさ・リスクも踏まえて、そもそもバリ取り作業を自動化するといった流れも増えつつあります。 しかしまだ自動化で進めている企業は少数であるのが現状。一体なぜなのか詳しく見ていきましょう。 自動化が進まないワケ:「熟練工の精度」が圧倒的だから 自動化が進まない理由、それはこれまでのバリ取りロボットでは熟練工が手作業で生み出す“精度”を担保できなかったからです。 製造業は「量より質」、「コスパより精度」の世界 先に紹介したような日本製のマンホールや自動車用部品は、その「精密さ」で世界を圧倒していました。これを支えているのが“熟練工の加工技術”です。 寸分の狂いもない、わずかな削り残しもないバリ取りはこれまでロボットによる大量生産では難しいとされ、 そもそも自動化を考えていない 以前試したけれど、精度が低くて辞めてしまった こういった企業様が多くいらっしゃるのが現状です。 FINE SYSTEMは独自技術で「空振り・えぐりゼロ」を実現! そこで当社が開発したのが、「熟練工レベルのバリ取り」を再現する”業界初”のエアフロート式バリ取りアタッチメントです。 そもそも熟練工がロボットに勝る理由は、“己の感覚”を作業に落としこめること。当社はバリ取りロボット最大の課題である「空振り・えぐり」をゼロにするためには、ロボットにも”感覚作業に近い動き”をさせることが重要と定義づけました。 そこで設計・開発したのが、FINESYSTEM特許技術である「独自のエアフロート機構」です。 独自エアフロート機構は、フロート力に圧縮エアを用いる機構をベース構造としつつ、軸元に「複数ボールガイド(特許技術)」を使用することで、刃先がワーク形状に素早く滑らかに追従し、機械でありながらより“感覚作業”に近いバリ取りを実現しました。 当社のエアフロートシステム開発秘話については、こちらの記事に詳しくまとめました! 関連記事:『真の“バリ取り自動化”とは何か?「空振り・えぐりゼロ」を実現するバリ取り機の開発背景』 砂型・砂中子だけでなく、金属・樹脂も対応可能!まずは「事前トライ」で課題感をお聞かせください 本記事でも紹介した通り、当社は「以前導入していたけれど、諦めてしまった…」という企業様の悩みを踏まえて、今日まで研究・開発を行ってきました。そのため、 進化したロボットは気になるけど、また同じ結果にならないか心配… 自社製品のバリ取りを自動化できるのか… といった不安を解消すべく、実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい削減できるのか? 導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

詳しく見る
「人件費+導入コスト」で試算する|バリ取り自動化の投資対効果を解説!

「人件費+導入コスト」で試算する|バリ取り自動化の投資対効果を解説!

製造業のバリ取りは、今なお作業者による手作業で行われている会社がほとんどです。 当社はそんなバリ取り作業者の負担を軽減し、生産性を向上させる「バリ取り自動化」の研究を日夜続けてきましたが、当社にご相談いただくお客様のほとんどから、 本当に投資に見合うのか? 具体的に「投資対効果」はどのくらいなのか? といったご質問を多くいただきます。 そこで本記事では、工業製品や鋳鉄製品の手作業バリ取りに焦点を当て、バリ取り自動化を導入した場合のリアルなROI(投資対効果)シミュレーションや回収期間について解説していきます。 この記事では、こんな疑問に回答します! このまま「手作業バリ取り」を続けて問題ない? 自動化の流れがきている理由は? 【シミュレーション】投資対効果を計算! ロボットの課題とFINESYSTEMの解決策 前提:なぜ「手作業バリ取り」に課題があるのか これまで「最後はしっかり人の手で」とされてきたバリ取り。 熟練工による丁寧な仕上げは日本のモノづくりを支えてきましたが、現場では深刻な課題に直面しています。 少子高齢化に伴う人材不足は深刻化しており、高品質なバリ取りを担える熟練工は減少の一途をたどっていて、熟練工の引退が進む一方で、若手への技術伝承は難しく、人手不足は加速しています。 製造業における「若者の割合」が低下 上の図からもわかる通り、まず製造業における従業員数は年々、低下傾向にあります(赤縦軸)。 さらには若者の「製造業の就業割合(折れ線)」も、20年前の2002年ごろと比較して、約4%も低下しています。つまり、そもそも熟練工の“現場離れ”が加速する中、追い討ちをかけるように「次の担い手がいない」という、2つの大きな課題に直面していることがわかります。 出典:経済産業省『我が国製造業の足下の状況』 人材不足だけでなく、生産面での課題も 手作業でのバリ取りには、慢性的な人手不足や熟練工の高齢化といった問題に加え、以下のような「当たり前」の課題が潜んでいます。 ①:サイクルタイムに限界がある 最も大きな課題が「サイクルタイム」です。 手作業では処理速度に限界がありますから、いくら精度が高いとはいえ、後工程のボトルネックとなってしまいがちです。また自動化ロボットとは異なり「24時間稼働」も難しいため、生産量増加の足かせとなっているケースがあります。 ②:品質にばらつきが出る可能性も いくら熟練工とはいえ、その日の体調、疲労度によって多少なり「品質のばらつき」は発生してしまいます。 さらに複雑な形状や多量のバリがあるワークの場合、バリ取りにはかなりの時間と労力がかかります。長時間同じ姿勢で集中したり、重い工具を扱ったりすることで、作業者の負担は増大してしまいます。 ③:会社としての「安全性・労災」リスク バリ取り作業は、刃物や工具を扱うため常にケガのリスクが伴います。 また、バリ取りに伴う粉塵や騒音は、作業者の健康障害(腱鞘炎や塵肺症など)を引き起こす可能性があり、労災リスクも無視できません。 【今後を考える】このまま「手作業を続けた場合…」はどうなるか ここからは実際に当社にご相談いただいた事例を参考に、「なぜ自動化を考え出したのか」、「このまま続けた場合、どういった懸念があったのか?」というご相談の一部を紹介します。 「技術・ノウハウ」が継承されない 熟練工の技術が継承されずに属人化している場合、その技術は本人の退職とともに失われてしまいます。つまり、長年培ってきた企業の技術的優位性を“まるっと失う”ことになってしまいます。 近年はいかに「少ない人数」で「安定した品質」を維持するかが製造業にとって大きなテーマになっているからこそ、今後10〜20年先の“継承”を考えると、今「自動化」を考え始めることが大切だ、と考えられる企業様が多くいらっしゃいます。 今後の「採用難」に太刀打ちできない 先ほども紹介したように、製造業における「若者の割合」は低下しています。 特に最近の若者はIT・コンピューター関連業に関心を持ちやすい傾向にあり、危険で過酷な製造業(バリ取り作業者)は、そもそも採用が難しくなってきています。 また労災事故が発生すれば、企業の社会的信用の失墜にも繋がりますし、人件費だけでなく、企業のブランドイメージに悪影響を及ぼしかねません。 そういったリスクを避けたいという想いから、作業の根幹となるバリ取りの自動化を検討される企業様が多いです。 バリ取りロボットの「投資対効果」 先のリスクも踏まえて、自動化も検討はしているものの、まずは「具体的な投資対効果を試算したい」と考えられている方も多いと思います。 ここからは「バリ取り自動化の投資対効果」について詳しく見ていきましょう。 投資によって「得られる利益」について 投資対効果とは、投資した費用に対して、どれだけの利益が得られたかを測る指標です。 そしてバリ取り自動化の場合、「投資によって得られた利益」には、以下のような要素が含まれます。 人件費の削減額 不良品削減によるコスト削減 手直し数削減額 生産性向上による増益 労災関連コスト削減(保険料低減など) バリ取り自動化は初期投資が高額になりがちですが、中長期的な視点で見ると、人件費削減や不良率低減といったメリットがコストを上回り、十分に「投資する価値がある」という結論に至るケースが多く存在します。 自動化が進まないワケ:「熟練工の精度」が圧倒的だから ここまで投資対効果が見えているのに、なぜ未だに自動化が進んでいないのでしょうか。それはこれまでのバリ取りロボットでは、熟練工が手作業で生み出す“精度”を担保できなかったからです。 製造業は「量より質」、「コスパより精度」の世界 自動車産業や航空機、医療機器をはじめ、日本のモノづくりはこれまでその「精密さ」で世界を圧倒していました。これを支えているのが“熟練工の加工技術”です。 寸分の狂いもない、わずかな削り残しもないバリ取りはこれまでロボットによる大量生産では難しいとされ、 そもそも自動化を考えていない 以前試したけれど、精度が低くて辞めてしまった こういった企業様も多くいらっしゃるのが現状なのです。 モノづくりの自動化に伴い、バリ取りもロボットに置き換わる時代になりました。 しかし従来のバリ取りロボットには、「空振り・えぐり」など品質面の課題が多く、最終的には作業者の手で仕上げなければならない、という大きな課題があるというわけです。 特許取得の独自技術により、「空振り・えぐりゼロ」を実現! そこで当社が開発したのが、「熟練工レベルのバリ取り」を再現する”業界初”のエアフロート式バリ取りアタッチメントです。 そもそも熟練工がロボットに勝る理由は、“己の感覚”を作業に落としこめること。当社はバリ取りロボット最大の課題である「空振り・えぐり」をゼロにするためには、ロボットにも”感覚作業に近い動き”をさせることが重要と定義づけました。 そこで設計・開発したのが、FINESYSTEM特許技術である「独自のエアフロート機構」です。 独自エアフロート機構は、フロート力に圧縮エアを用いる機構をベース構造としつつ、軸元に「複数ボールガイド(特許技術)」を使用することで、刃先がワーク形状に素早く滑らかに追従し、機械でありながらより“感覚作業”に近いバリ取りを実現しました。 これまでバリ取りロボットは、ワーク形状にあわせて綿密なティーチングを行う必要がありましたが、独自エアフロート機構では動画のように「ここから、ここまで削る。」という最低限のティーチングを行うだけで、まるで熟練工の手首のように、工具をワーク形状に倣わせることが可能に。 その他の作業も「完全自動化」 バリ取り作業はもちろん、ロボットを利用する上で欠かせない、 フロート圧の変更 工具(ツール)交換 これらの作業も、電空レギュレータやATC(工具自動交換システム)を用いることですべて自動化。これにより“ロボットそのものの操作”さえも人の手を一切介入させない、本当の意味での「バリ取り完全自動化」を実現させました。 当社のエアフロートシステム開発秘話については、こちらの記事に詳しくまとめました! 関連記事:『真の“バリ取り自動化”とは何か?「空振り・えぐりゼロ」を実現するバリ取り機の開発背景』 金属だけでなく、樹脂も対応可能!まずは「事前トライ」で課題感をお聞かせください 本記事でも紹介した通り、当社は「以前導入していたけれど、諦めてしまった…」という企業様の悩みを踏まえて、今日まで研究・開発を行ってきました。そのため、 進化したロボットは気になるけど、また同じ結果にならないか心配… 自社製品のバリ取りを自動化できるのか… といった不安を解消すべく、実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい削減できるのか? 導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

詳しく見る
ツールの種類で“仕上げ精度”も変わる!「バリ取り自動化用ツール」について解説

ツールの種類で“仕上げ精度”も変わる!「バリ取り自動化用ツール」について解説

「仕上げ加工」とは バリ取りにおける「仕上げ」とは、ワークを納品物として仕上げるための最後の加工工程です。 微細なバリを取り除くのはもちろん、ワーク角をなくす「面取り加工」も仕上げ加工の一環です。 本記事では、バリ取り自動化の最終フェーズ「仕上げ加工の自動化」で使用されるツールについて詳しく解説していきます。 仕上げツールの種類 まずは仕上げで使用されるツールについてです。主に下記の2つを使用します。 超硬ロータリーバー 軸付砥石 それぞれ詳しく見ていきましょう。 1. 超硬ロータリーバー 超硬ロータリーバーは回転工具の先端に取り付けて使用する工具です。回転する刃先で被削材の表面を削ることでバリを取り除きます。 超硬ロータリーバーは回転する刃先で被削材の表面を削りながら形状を整えるもので、主にバリ取り作業や重研削、仕上げ加工などの作業に使用されます。 ロータリーバーの形状を選定することで、バリの切削をはじめ加工目的や用途、製品形状に応じて効率的な仕上げを可能にします。 ◯ 超硬ロータリーバーでの加工例 筒状ワークの内径加工 波状ワークの面取り加工 「面取り加工」についてはこちらをご覧ください。 関連記事:『面取り加工って何?「C面・R面・糸面取り」の違いまで詳しく解説!』 2. 軸付砥石 軸付砥石はロータリーバーよりも滑らかな仕上げが可能な回転式砥石です。 きめ細かなバリ取りはもちろん、面取り加工の中でも、角に丸みを帯びせる「R面取り加工」などを行う際にも利用されます。 ▲鋳鉄のパーティングライン加工の様子 仕上げ加工の注意点 ツールは消耗品 当然ですが、仕上げ加工用のツールは「消耗品」ですので、定期的な交換が必要です。 また消耗具合もワークの特徴や運用方式によっても異なりますので、交換頻度は運用してみないことには分かりません。 詳細なティーチングが必須 ▲波状ワークのティーチングポイント(31点) 仕上げ加工はワーク形状に倣う必要があるため、詳細なティーチングポイント(教示点)の設定が求められます。ティーチングポイントが多いほど高精度な仕上がりになりますが、その分サイクルタイムは落ちてしまいます。 また、きめ細かに設定しすぎると、イレギュラーな形状のバリに対応できず「削り残し」が発生してしまうため、ちょうどいい塩梅のティーチングポイント数に抑えることが重要となります。 FINESYSTEMのエアフロート式バリ取りアタッチメントは、独自のエアフロート機構で工具がワークに追従するため、極めて少ない教示点で高精度な加工を可能にしています。 【特許取得】フローティング技術で、 バリ残し・えぐりゼロの“倣い加工”を実現!   本記事でも紹介したように、バリ取りはたとえ同一ワークであっても「異なるバリサイズ」が必ずあります。 FINESYSTEM独自開発のエアフロート機構(特許取得)は、あらかじめバリサイズにあわせたフロート圧を電空レギュレータにて可変制御が可能です。レギュレータの調整による「バリ取り条件の簡易変更」を可能にしました。 さらに軸元に「複数ボールガイド」を使用することで、製品形状のバラツキにかかわらず、空振り・えぐりの発生ゼロを実現。製品形状にバラツキがあっても補正(教示修正)なしで、熟練工のような“素早く・滑らかな加工”ができるようになりました。 ▲波状ワークでティーチングポイント「4点」を実現 また当社では実際のお客様の製品・ワークを利用した「事前トライ」を承っておりますので、 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい短縮できるのか? 導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて解決策をご提案いたします。まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

詳しく見る
ダイキャストのバリ取りも自動化!?鋳造製品の「粗加工」に必要なツールを解説

ダイキャストのバリ取りも自動化!?鋳造製品の「粗加工」に必要なツールを解説

製造における「荒加工」とは 荒加工とは、大きいバリをざっくりと取り除き、ワーク形状を整える作業です。 本記事では、バリ取り自動化における第2フェーズ「荒加工」で使用する切削ツールについて詳しく解説していきます。 荒加工には“エンドミル”が主流 荒加工ツールは、切断したワークをある程度整える、いわば切断と仕上げの“中間”を担うツールです。 エンドミルは、湯口切断後のゲート跡の荒削りとして使用します。 基本的にはツールの“側面”で切削するため、広い面でざっくりとバリ取りするのに向いています。対象ワークは金属全般、主にアルミ製品(アルミダイキャスト)、鋳鉄・鋳鋼、ステンレスなど幅広く使用可能です。 特に精密な加工が必要とされるダイキャスト製品の加工については、こちらの記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。 関連記事:『ダイキャスト(ダイカスト)とは|鋳造との違いや製品事例も解説』 「荒加工の自動化」の注意点 ツールは消耗品 まずエンドミルなどの荒加工ツールは「消耗品」です。そのため定期的な交換が必要となります。 また消耗具合もワークの特徴や運用方式によっても異なりますので、交換頻度は運用してみないことには分かりません。 トルク不足による「削り残し」 荒加工で大きなバリを削り取る場合、その分トルクと剛性が必要になります。 いかに切削精度の高いツールを選んだとしても、ホルダから伝わるトルクが弱いと写真のように削り残しが発生してしまいます。 当社製品(AFシリーズ)でいうと、荒加工の場合は「AF40以上」のトルク出力を推奨しています。 当社のホルダラインナップについてはこちらをご覧ください。 関連ページ:『バリ取り自動化について|株式会社FINE SYSTEM』 FINESYSTEMはラインナップを充実!あらゆるバリに対応可能! 本記事でも紹介したように、荒加工はワークによってバリサイズが大きく違うため、ツールを豊富に揃えるだけではバリ取り精度は上がりません。必要なのはワークに合うツールの準備と、それにあわせた「ホルダの選定」です。 FINESYSTEMのバリ取りホルダ「AFシリーズ」は、豊富なホルダラインナップを展開しているため、荒加工はもちろん、鋳造直後の湯口切断から、これまで熟練工の業といわれてきたきめ細かな仕上げバリ取りまでを“ロボットで自動化”できるようになりました。 当社AFシリーズのホルダラインナップ   AF150 AF110 AF40 AF30 AF20 AF10 切断 〇 〇 △ × × × 荒加工 〇 〇 〇 × × × 仕上げ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 もちろん導入サポートから、その後のティーチング、万一のトラブル対応まですべてサポート。導入前の「バリ取りトライ」も行っていますので、事前にバリ取り品質をご確認いただけます。 バリ取り自動化を検討しているが、どこに依頼すべきか分からない 自社製品に見合ったクォリティが出せるか、確認してから依頼したい 導入から保守まで全部お任せしたい 上記のような内容でお悩みなら、ぜひ一度お問合せくださいませ! >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

詳しく見る
鋳造・鋳鉄製品の「切断ツール」について|種類からワーク別の推奨製品まで紹介

鋳造・鋳鉄製品の「切断ツール」について|種類からワーク別の推奨製品まで紹介

鋳造・鋳鉄ワークにおける「切断」とは? バリ取りにおける「切断」とは、鋳造製品の湯口(原料の流し込み口)部分に残る“突起”を切断することなどを指します。 本記事では、バリ取り自動化の第1フェーズ「切断」で使用するツールについて詳しく解説していきます。 切断ツールの種類 まずは切断で使用されるツールについてです。 切断は「削る」というよりもワークそのものをばっさりカットしますので「大型刃物」のようなツールが使用されます。詳しく見ていきましょう。 1. ダイヤモンドディスク 表面にダイヤモンド砥粒が付いた研削ディスクで、主に鋳鉄・鋳鋼などの硬い素材の切断に用いられます。   ただし切断中に過熱や振動が発生するため、鋳鉄よりも柔らかいアルミ鋳造素材には、次に紹介する「チップソー」が利用されます。 鋳鉄とアルミダイキャストの違いについては、こちらで詳しく解説しています。 関連記事:『ダイキャスト(ダイカスト)とは|鋳造との違いや製品事例も解説』 2. チップソー チップソーは先端に「超硬チップ」が取り付けられた丸ノコギリ式のツールです。 丸ノコギリが高回転するため金属の切断に向いている上、ダイヤモンドディスクのような発熱も少なく、アルミダイキャスト等のワーク切断で利用されます。 ◯ チップソーの構造 3. 切断砥石 切断砥石は、砥石の円周部で金属をカットするディスクカッターです。 高速回転によって大きな切断力を発揮し、厚みのある金属にも対応できるため、大量生産ラインにも適しています。 ただし摩耗が激しいため、定期的な交換・管理が必要になります。 4. 超音波カッター 超音波カッターはツール先端の刃物を微振動させることで、切断を行います。主な切断ワークは「樹脂製品」で、上で紹介したような工具では切除が難しい際に利用されます。 ◯ 切断ツールと対応素材   アルミ製品 (ダイキャスト含む) 鋳鉄 ステンレス 樹脂・ゴム 砂型 ツール ダイヤモンドディスク - 〇  - - - チップソー 〇 × × - - 切断砥石 △ △ △ △ - 超音波カッター × × × 〇(ゴムは×) × 「切断自動化」の注意点 ツールは消耗品 切断ツールは「消耗品」ですので、定期的な交換が必要です。 また消耗具合もワークの特徴や運用方式によっても異なりますので、交換頻度は運用してみないことには分かりません。 “高トルク”が必要 特に金属切断の場合は、ツールの性能はもちろんマシン側のトルクと剛性も必要です。 バリ取りの自動化では「切断 〜 仕上げ加工」までを“バリ取り”と呼んでいますが、切断で必要なトルクと、微細な仕上げを行う際のトルク出力は“全く”異なります。 ですので基本的には、 切断用ロボット 荒加工ロボット 仕上げ加工用ロボット と、必要なトルク出力に合わせた「複数のバリ取りマシン」を導入いただく必要があります。 FINESYSTEMの「AFシリーズ」なら“切断〜仕上げ”まで1台で完結! バリ取りでは通常、「切断」「荒加工」「仕上げ」の工程毎に専用機を用いたり、部分的に職人が手作業で加工を行うのが主流ですが、当社システムでは全加工工程を”ロボット”で完結。 ボトルネックとなっていた加工工程をシームレスに自動化することで、人的コストの削減だけでなくサイクルタイムの大幅短縮を実現します。 また実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい短縮できるのか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

詳しく見る
バリ取り機の「ツール」について|自動化マシン導入の基礎知識を解説

バリ取り機の「ツール」について|自動化マシン導入の基礎知識を解説

ツールとは? バリ取り機の「ツール」とは、ロボットの先端につける切削パーツのことです。 実際にワークを削り取る部分ですので、切削を目的とした超硬カッターや、微細なバリを除去するヤスリ状のものまでタイプも様々です。 本記事では最終的な仕上げ加工用だけでなく、当社のバリ取りロボットに使用できるツールを例に詳しく紹介していきます。 ツールの種類 用途にもよりますがツールの種類はメジャーなものだけでも「10種類以上」あります。 ここからは用途別に、具体的には「湯口切断」「荒加工」「仕上げ加工」の3用途で使われる主なツールとその特徴について解説します。 1. 「切断」ツール 「切断ツール」は湯口部分の切断、つまり鋳造直後の“最も大きなバリ”を除去するためのツールで、ダイヤモンドディスクや切断砥石などの「大型工具」であることが特徴です。 また湯口切断はワークそのものをばっさりカットするわけですから、ツールそのものの切れ味に加えて、高いトルクも必要となります。 この辺りは下記記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『鋳造・鋳鉄製品の「切断ツール」について|種類からワーク別の推奨製品まで紹介』 2. 「荒加工」ツール 荒加工ツールは、切断したワークをある程度整える、いわば切断と仕上げの“中間”を担うツールです。 こちらは「切る」というよりも仕上げに向けて「削り整える」のが目的ですので、エンドミルのような切削向きのツールが使用されます。 またこちらも切断と同様にある程度のトルクがないと“削り残し”が起こってしまうので注意が必要です。 詳しくは下記記事をご覧ください。 関連記事:『ダイキャスト切削も自動化!?鋳造製品の「粗加工」に必要なツールを解説』 3. 「仕上げ加工」ツール 仕上げ加工ツールは、微細なバリの撤去や面取り(R面、C面、系面取り)加工で使用されます。ツールは切削・研削向きの超硬ロータリーバーや砥石、場合によってはベルトサンダーなどが該当します。 またワークサイズにもよりますが、仕上げ加工は“ミリ単位の精度”が必要になりますから、たとえば一口にロータリーバーといっても、その形状やサイズはさまざまです。 ただワークや素材によって最適なツール形状は異なるため、これらすべてを揃える必要はありません。 仕上げ用ツールの詳しい説明や選定方法については、下記記事をご覧ください。 関連記事:『ツールの種類で“仕上げ精度”も変わる!「バリ取り自動化用ツール」について解説』 ◯ バリ取りツール早見表 湯口切断 粗加工 仕上げ加工 ダイヤモンドディスク 切断砥石 チップソー など エンドミル ドリル など 超硬ロータリーバー 砥石 など 【Point】 高トルクのホルダが必要 【Point】 高トルクのホルダが必要 【Point】 同名ツールでも型が豊富 「削り残し・えぐり」を防ぐ ホルダの柔軟性が必要 ツールは“消耗品” バリ取りツールは「消耗品」ですので、定期的な交換コストが発生します。 消耗頻度は「導入後」しかわからない バリ取りツールの消耗具合は、運用してみないことには分かりません。 というのも、バリ取り機は日中稼働し続けることがほとんどですから、たとえ同じようなワークを扱う他社事例であっても、1日、延いては1ヶ月スパンで見てみると、その生産量の差は大きなものになります。 また運用していく上で、効率的な切削方法やティーチングも見つかっていくため、一概に消耗頻度を算出できないというのが結論なのです。 だからこそ導入前には“必ず”事前トライを通して、 そもそも自社ワーク(形状・サイズ・材質)も対応可能か 目的とするバリ取り品質が得られるのか を詳しく確認しておくことが大切なのです。 バリ取り機本体の「導入コスト」については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。 関連記事:『バリ取り作業を自動化!バリ取り機械の導入コストや具体的なメリットまで解説!』 まずは「バリ取りトライ」をお試しください! 当社は「以前導入していたけれど、諦めてしまった…」という企業様の悩みを踏まえて、今日まで研究・開発を行ってきました。そのため、 進化したロボットは気になるけど、また同じ結果にならないか心配… 自社製品のバリ取りを自動化できるのか… といった不安を解消すべく、実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい短縮できるのか?導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談ください。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

詳しく見る
バリ取り自動化の手引き!バリ取り機の「構成パーツ」を徹底解説!

バリ取り自動化の手引き!バリ取り機の「構成パーツ」を徹底解説!

バリ取り自動化ロボットは、さまざまなパーツが組み合わさって成り立っています。 しかし、 そもそも「ロボット」を買うだけで良いのか? ロボットの他にどのような部品が必要なのか? 消耗品やメンテナンスの目安は? など、具体的な情報がネット上にはあまりないのも現状です。 そこで本記事では、バリ取りロボットの導入を検討している方に向けて、そもそもの構成パーツや、それらの導入・交換コストなどをわかりやすく整理しました。 バリ取りロボットの構成パーツは3つ バリ取りロボットは、大きく分けて以下3つのパーツで構成されています。 ロボット本体 バリ取りホルダ バリ取りツール ①:ロボット本体 ▲日本初 高トルク型エアフロートアタッチメント搭載ロボット いわば人間の「脳や腕」にあたるロボットそのもの(本体)です。 主に「多関節アーム(腕の部分)」と「制御装置(脳の部分)」で構成されており、まず制御装置がティーチングポイント(教示点)を覚え、アームに正確なバリ取り箇所を伝えます。 そして​多関節アームがそれに沿って動くことで、さまざまな形状のワークのバリ取りが可能になります。 ②:バリ取りホルダ ホルダは、人間でいう「手首・指先」の役割を担います。 リジッド機構やバネ機構、最近ではフローティング機構など、さまざまなホルダが登場しており、バリの高さやワーク位置の誤差を吸収し、バリ取りの精度と安定性を向上させています。​ ​​また、「ホルダ=手首の動き」と例えられるように、“熟練工のような仕上がり”を実現できるかは、このホルダの性能によって大きく左右されます。 つまり、バリ残しやえぐりのない熟練工の業をロボットで再現するには「ホルダの選定」が最も重要になってくるわけです。 ホルダの重要性についてはこちらをご覧ください。 関連記事:『バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!』 ③:バリ取りツール バリ取りツールはホルダの先端につけるパーツで、実際にバリを除去するための工具のことです。 たとえば、超硬ロータリーバー、エンドミル等の刃具、ブラシや砥石、フラップホイールなどがあり、バリ取りを行うワークや素材によっても異なります。 また、バリ取りツールは消耗品ですので、定期的に交換が必要です。 トータル費用(導入コスト)はどれくらい? 上記を踏まえ、バリ取りロボットをご導入いただく場合、トータル費用はおよそ「700万円から」が相場です。 価格だけ見るとかなり大きな費用に感じてしまうかもしれませんが、作業者数人分の作業をロボット一台で完結させられると考えると、自動化ロボットの導入による“費用対効果”は非常に高いといえます。 「消耗品交換」も定期的に発生する また、導入後の発生コストとしては、主に「消耗品の交換」が挙げられます。 本体導入コストを踏まえた、費用相場についてはこちらから。 関連記事:『バリ取り作業を自動化!バリ取り機械の導入コストや具体的なメリットまで解説!』 コスト面を踏まえた導入メリット 1. 作業効率の向上 人手作業に比べてバリ取り速度が向上し、サイクルタイムを短縮できる。(生産ラインのサイクルタイムが「1/6」まで削減できた事例も) 2. 品質の均一化 手作業だとどうしても起こってしまう問題(疲れやムラなど)がなく、一定の仕上がりを保てるようになる。 3. 「熟練工離れ」対策 “熟練工頼り”だった工程をロボットに置き換えることで、作業者の負担軽減と技術継承が実現。 注意したいポイント 消耗品の継続使用による「加工精度」の低下 摩耗した工具を使い続けることで、不良品の生産率が増加。 ワークごとに消耗スピードも異なるため、定期的に様子を見て、定期交換のルール化を推奨。 操作・ティーチング担当者のスキル不足 ツール、加工条件、ロボットティーチングが不適切で、最適なバリ取りができないケースも。 導入にあたり専門の技術担当者の配置がベスト。 FINESYSTEMなら、バリ取り自動化における 導入からティーチングまで一括サポート! バリ取り自動化を前向きに検討されていても、トラブル事例で紹介したように「何かが起こったとき、対応できないな…」とお考えの企業様も、これまで多くいらっしゃいました。 FINESYSTEMでは、導入サポートから、その後のティーチング、万一のトラブル対応まですべてサポート。 導入前の「バリ取りトライ」も行っていますので、事前にバリ取り品質をご確認いただけます。 バリ取り自動化を検討しているが、どこに依頼すべきか分からない 自社製品に見合ったクォリティが出せるか、確認してから依頼したい 導入から保守まで全部お任せしたい 上記のような内容でお悩みなら、ぜひ一度お問合せください!

詳しく見る

真の“バリ取り自動化”とは何か?「空振り・えぐりゼロ」を実現するバリ取り機の開発背景

FA化(工場自動化)が進む今日、製造業におけるバリ取りもロボットによって自動化する企業が増えつつあります。バリ取り機製造を行う多くの企業が「バリ取り自動化」を謳っていますが、実際のところどうでしょうか。 最終的な仕上げは「人の手」で行われている 複雑なワーク形状の場合、まだまだ手作業に頼らざるを得ない これを「“自動化”と呼んでいいのか…」。我々はこの業界課題に疑問を投げかけ、バリ取りの完全自動化に真正面から取り組むことを決意しました。 「完全自動化」—— 人の手を一切介さない“バリ取り自動化”の実現。 本記事では、バリ取り自動化の歴史を振り返りながら、当社開発の「バリ取り完全自動化」技術について詳しく解説していきます。 過去導入していたが、精度がイマイチで辞めてしまった… 導入したいが、FA化の担当者がいなくて見送っている… という方に向けて、当社の想いと開発背景を記していますので、ぜひ最後までご覧ください。 そもそもなぜ“完全自動化”は実現できなかったのか? 近年、熟練工が培った技術やノウハウの伝承が追い付かず、「熟練工が徐々に退職し始めている…」、「後継者が思うように育たない…」という課題解決に向けて、ロボットでバリ取りを自動化するといったニーズが高まっています。 一方でロボットは、ティーチング(教示)された動作しかできないため、イレギュラーな形状のバリに対して臨機応変にバリ取りすることができません。 そのためロボット導入がさかんになってきているものの「ある程度ロボットで素早く削って、残りは作業者が仕上げる」という、謂わば“半自動化”が製造業界の当たり前となってしまい、熟練工の技をロボットで再現するのはそもそも不可能と認識されてきたことが、完全自動化が実現していない大きな要因です。 このバリ取りロボットの“精度の低さ”により、冒頭でもお話した「過去導入していたが、精度がイマイチで諦めてしまった…」という企業様が多くいらっしゃるのが現状です。 FINESYSTEMは、この日本のモノづくりに対する「諦め」をなくすべく、バリ取りの“完全自動化”に向けて、研究・開発を始めました。 “完全自動化”の実現に向け、 熟練工の技を再現する「ホルダ構造」に着目 バリ取りを完全自動化するためには熟練工の技、つまり「手首の動き」を再現する必要があります。先の通り、ロボット最大の欠点は、ティーチングだけではイレギュラーなバリに対応できないこと。 ここで当社が目をつけたのが、熟練工の技を再現する独自の「ホルダ構造(機構)」の開発です。 従来ホルダの構造とデメリット まずはバリ取りロボットにおけるホルダとは何か?を紹介していくとともに、従来のバリ取りホルダにどんな問題点があったのかを解説していきます。 リジッド機構:「空振り」が発生してしまう ▲リジッド機構イメージ 初期のバリ取りロボットは、工具を軸先に固定する「リジッド機構」が主流でした。 リジッド機構は工具のブレが少ない反面、バリの形状・大きさに合わせた柔軟な動きができず、空振り(削り残し)が発生していました。 そのため「ロボットを導入したけど、手作業の方が精度が高い…」「結局残ったバリは、手作業での仕上げが必要…」といったケースが多くあり、ロボットで作業すべてを自動化する、というのが難しいホルダ機構といえます。 バネ機構:「えぐり」の発生が問題に… ▲バネ機構イメージ その後、より”人の手に近い動き”を再現するために「スプリング(バネ)の力」を応用したホルダが開発されました。バネ機構はバネの伸縮により工具をワークに倣わせることで、ある程度ティーチングから外れた動きが可能となり、人の手のような柔軟性を実現しました。 一方で傾動・伸縮はするものの、フロート(圧力)の発生源はバネですので、作業の途中でフロート力(バネ自体の圧力)の調整が必要な場合には、作業を中断して「バネ自体の交換作業」が発生するといったデメリットがありました。 またバネによるフロート力は、押し付けるほど反発して強くなるため、反発が強すぎて製品までえぐってしまう事例も目立つようになっていました。 これらの「空振り・えぐり」は必ず出てしまうもの。であれば、ここの仕上げは作業者に任せよう、という考え方が当たり前になり、バリ取り自動化は名ばかりの「半自動化」という業界認識が広まってしまったのです。 FINESYSTEMの答えは、 空振り・えぐりゼロの「熟練工レベルのバリ取り加工技術」の開発 そもそも熟練工がロボットに勝る理由は、“己の感覚”を作業に落としこめること。当社はバリ取りロボット最大の課題である「空振り・えぐり」をゼロにするためには、ロボットにも”感覚作業に近い動き”をさせることが重要と定義づけました。 そこで設計・開発したのが、FINESYSTEM特許技術である「独自のエアフロート機構」です。 独自エアフロート機構搭載、『AFシリーズ』の特徴  独自エアフロート機構は、フロート力に圧縮エアを用いる機構をベース構造としつつ、軸元に「複数ボールガイド(特許技術)」を使用することで、刃先がワーク形状に素早く滑らかに追従し、機械でありながらより“感覚作業”に近いバリ取りを実現しました。 これまでバリ取りロボットは、ワーク形状にあわせて綿密なティーチングを行う必要がありましたが、独自エアフロート機構では動画のように「ここから、ここまで削る。」という最低限のティーチングを行うだけで、まるで熟練工の手首のように、工具をワーク形状に倣わせることが可能に。 これにより、従来機よりもティーチング点数を減らしサイクルタイムが向上するだけでなく、バリ取りロボット最大の課題だった「空振り・えぐり」ゼロを実現したのです。 その他の作業も「完全自動化」を実現! バリ取り作業はもちろん、ロボットを利用する上で欠かせない、 フロート圧の変更 工具(ツール)交換 これらの作業も、電空レギュレータやATC(工具自動交換システム)を用いることですべて自動化。これにより“ロボットそのものの操作”さえも人の手を一切介入させない、本当の意味での「バリ取り完全自動化」を実現させました。 当社バリ取りロボットの特徴をより詳しく知りたい方は、下記ページもご覧ください。 関連ページ:『バリ取り自動化』 金属だけでなく、樹脂も対応可能! まずは「事前トライ」で課題感をお聞かせください 本記事でも紹介した通り、当社は「以前導入していたけれど、諦めてしまった…」という企業様の悩みを踏まえて、今日まで研究・開発を行ってきました。 そのため、 進化したロボットは気になるけど、また同じ結果にならないか心配… 自社製品のバリ取りを自動化できるのか… といった不安を解消すべく、実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい削減できるのか? 導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

詳しく見る
バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!<!--24112公開用-->

バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!

バリ取りホルダとは? バリ取りロボットにおけるホルダとは、ロボットに取り付ける切削工具を保持するための装置です。ホルダは、バリ取り作業の精度と効率を高めるために重要な役割を果たします。 工具の取り付けに不可欠! 上でも解説した通り、ホルダの最も大きな役割が、工具をロボットに取り付け保持すること。 外力やワークの硬さに工具が負けてしまうと、工具がズレてしまい、本来削りたい部位を削れなかったり、逆に削ってはいけない部位を削ったりしてしまいます。 そのためホルダによってバリ取り工具をしっかりと固定することで、工具を安定させ、精度の高いバリ取りを実現するのです。 バリ取りホルダの種類は? バリ取りホルダには、内部構造の違いによっていくつかの種類があります。 現在、主流となっているバリ取りホルダーは主に、 リジッド(軸先固定)機構 バネ機構 エアフロート機構 上記の3タイプです。それぞれの特徴について詳しく解説していきます。 1:リジッド(軸先固定)機構 切削工具が先端にしっかりと固定されている構造のホルダです。 リジッド機構ホルダは工具が常に一定の位置に保持されるため、ロボットでも高い加工精度を実現できる構造として、バリ取りロボットが普及しはじめた頃に多く導入されていました。 一方で、ワーク形状のバラツキや固定時の位置ズレにあわせた柔軟なバリ取りが難しく、空振りやえぐりが発生してしまうというデメリットもあります。 リジッド(軸先固定)機構については下記記事でより詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『リジッド機構ホルダとは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!』 2:バネ機構 バネの力で工具の刃先を「X・Y・Z」方向に傾動または伸縮する機構のホルダです。 特にリジッド機構の課題点であった、ワーク形状に応じて柔軟な削り方ができないというデメリットを解決するために開発されました。 そのため空振りの発生は少ないものの、バネの反発による「えぐり(削りすぎ)」が起こることがあります。 それを回避するために、バリ取り箇所によって工具またはホルダ交換を行う必要があるのがデメリットです。 バネ機構については下記記事でより詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『バネ機構ホルダとは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!』 3:エアフロート機構 刃先がX・Y・Z方向に傾動・伸縮するのはバネ式と同様ですが、圧縮エアによりフロート力(圧力)を発生させる機構のバリ取りアタッチメントです。 エアフロート機構であれば、フロート力は「エア圧の調整」だけで簡単に行えるため、バリ取り箇所に合わせて複数の工具を用意する必要はありません。また、フロート力がバネの縮みに比例するバネ機構とは異なり、FINESYSTEMのエアフロート式バリ取りアタッチメントではほぼ一定のフロート力が得られ、より高い精度でバリ取りができるようになったのです。 エアフロート機構については下記記事でより詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『フローティング機構とは|バリ取り自動化に向けて知っておきたいこと』 「熟練工の技」を再現するには、エアフロート式バリ取りアタッチメントが不可欠! これまでもバリ取り自動化ロボットは存在していたものの、機械ではなかなか手作業のバリ取り品質を再現することが難しいという課題がありました。 この課題を解決し、バリ取りをロボットによって自動化しながらも、限りなく熟練工の技に近い品質を提供できるようになりました。エアフロート式バリ取りアタッチメントは、人間でいうところの「手首の柔軟性」のような役割を果たします。柔軟性のないロボットの画一的な動きを人間の手作業のようにすることができ、より速く、質の高いバリ取り作業が可能となったのです。 バリ取り機製造を行うを多くの企業が「バリ取り自動化」を謳っています。しかし、実際のところは、仕上げには作業者の手が必要となる、いわば“半自動化”がほとんど。 「完全自動化」—— 一切人の手を介さない“バリ取り自動化”の実現。 下記記事では、バリ取り自動化の歴史を振り返りながら、当社の想いと独自のバリ取りロボット開発背景を記していますので、ぜひあわせてご覧ください。 関連記事:『真の“バリ取り自動化”とは何か?「空振り・えぐりゼロ」を実現するバリ取り機の開発背景』

詳しく見る
リジッド機構とは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!<!--24113公開用-->

リジッド機構とは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!

リジッド(軸先固定)機構とは? バリ取りロボットにおける「リジッド(軸先固定)機構」とは、切削工具などがしっかりと固定されている構造のことを言います。 リジッド機構ホルダはバリ取りロボットが普及しはじめた頃に多く導入されていました。 そもそもホルダって何? バリ取りロボットにおける「ホルダ」とは、切削工具などロボットに取り付ける際に切削工具を保持するための装置で、バリ取り作業の精度と効率を高めるために重要な役割を果たします。 外力などによって切削工具がズレてしまうと、本来削りたい部位を削れなかったり、削ってはいけない部位を削ったりしてしまいます。 そのためホルダによってバリ取り工具をしっかりと固定することで、工具を安定させ、精度の高いバリ取りを実現するのです。 関連記事:『バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!』 リジッド機構の強みは「外力によるズレが少ない」こと! ▲リジッド機構イメージ図 リジッド機構最大の特徴は、外力による切削ツールの位置ズレが少ないことです。 上図のようにホルダ先端の工具はしっかりと固定された構造となっているため、外力によって軸先がブレることはほとんどありません。 これにより加工中に発生する振動や衝撃にも耐えられ、高い加工精度が実現されるというわけです。 リジッド機構の課題は「空振り(削り残し)」の発生 一方でこの「ズレの少なさ」がデメリットになるケースも。それがリジッド機構の課題である「空振り(削り残し)」の発生です。 リジッド機構はアタッチメントのブレが少ない反面、バリの形状・大きさに合わせた柔軟な動きができず、空振り(削り残し)が発生しがち。 構造上、工具がしっかりホルダーに固定されていることで、ティーチング(教示)外の動きができず、イレギュラーな形状のバリが残ってしまうのです。 またロボットがティーチング通りの動きを行う以上、ティーチング点も形状に合わせてより細かく設定しなければならず、「手間が増える上に、都度修正が必要」という課題が残っています。 「完全自動化」が難しいという課題も… 上で解説した通り、高い精度が出せない=仕上げは“作業者の手作業”になるため、リジット機構ホルダの導入によりある程度の効率化はできるものの、バリ取りに人件費をかけないという「完全自動化」が難しいのも課題のひとつ。 そのため、 過去導入していたが、精度がイマイチで辞めてしまった 結局人の手を使うので、最初から作業者に任せる流れに戻した といった製造業者の方も多くいらっしゃるようです。 FINESYSTEMは、 「空振り」を解消するホルダ設計に着目!  当社が開発した独自のエアフロート機構(AFシリーズ)は、エアを用いる機構をベース構造としつつ、軸元に「複数ボールガイド(特許技術)」を使用することで、人間でいうところの「手首の柔軟性」のような役割を果たし、機械でありながらより“感覚作業”に近いバリ取りを実現しました。 これまでバリ取りロボットは、ワーク形状にあわせて綿密なティーチングを行う必要がありましたが、独自エアフロート機構では動画のように「ここから、ここまで削る。」という最低限のティーチングを行うだけで、まるで熟練工の手首のように、工具をワーク形状に倣わせることが可能に。 これにより、従来機よりもティーチングの少なさやサイクルタイムが向上するだけでなく、バリ取りロボット最大の課題だった「空振り(削り残し)ゼロ」を実現したのです。 下記ページでは、当社が設計・開発した「独自エアフロート機構」について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。 関連ページ:『バリ取り自動化ページ』 金属だけでなく、樹脂も対応可能! まずは「事前トライ」で課題感をお聞かせください 本記事でも紹介したように、当社ではロボットによるバリ取りの「完全自動化」を掲げて日夜研究・開発を進めてきました。 その集大成である“独自のエアフロート機構(AFシリーズ)”をぜひ導入いただきたいところではありますが、実際にお客様のワークを加工できて、その上で品質・サイクルタイムを短縮させられなければ意味がありません。 そのため当社では、実際のお客様の製品・ワークを利用した「事前トライ」を承っています。本当に納得いただいた上で導入していただきたいからこそ、既に導入を検討されているお客様であっても、まずは事前トライからの実施を推奨しています。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい削減できるのか? 導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて現状の課題感に対する解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

詳しく見る