2024.11.13
バネ機構ホルダとは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!
バネ(スプリング)機構ホルダとは? バネ(スプリング)機構ホルダとは、バネの力を利用したフロート機構を持つホルダの総称です。 そもそもバリ取りロボットにおける「ホルダ」とは、切削工具などロボットに取り付ける際に切削工具を保持するための装置で、バリ取り作業の精度と効率を高めるために重要な役割を果たします。 外力などによって切削工具がズレてしまうと、本来削りたい部位を削れなかったり、削ってはいけない部位を削ったりしてしまいます。 そのためホルダによってバリ取り工具をしっかりと固定することで、工具を安定させ、精度の高いバリ取りを実現するのです。 関連記事:『バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!』 バネの反発力を活かした「傾動・伸縮」が可能に! ▲バネ機構イメージ図 バネ機構の強みは、バネの力によって「傾動・伸縮」が自在に行える点です。 ロボットで熟練工の技を再現するには、ティーチングによる機械的な加工はもちろん、イレギュラーな形状バリに対しても柔軟にバリ取りする必要があります。 従来はツールの軸先を固定してしまう、いわゆる「リジッド(軸先固定)機構」が主流だったため、ワークやバリの形状にあわせて滑らかに追従することができず、人の手の動きを再現することができませんでした。 しかしバネ機構は、バリ取りツールが製品やバリの形状に合わせて傾動・伸縮するため、バリや製品形状のバラツキを吸収し、滑らかで綺麗な仕上がりになるのです。 従来型の「リジッド機構」については、下記記事で詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『リジッド機構とは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!』 バネ機構の課題は「えぐり(削りすぎ)」の発生 上でも紹介した通り、バネ機構は「X・Y・Z」方向に動きますが、押当力(フロート力)の発生源は“バネ”であるため、バネの性質上、押し付けるほど反発力も強くなります。 つまり押し付け過ぎた部位ではバネの反発も大きく、製品まで削り込んでしまう「えぐり(削りすぎ)」が発生してしまいます。 そのため、リジッド機構よりも滑らかに加工可能になったとはいえ、複雑な箇所や仕上げは作業者の手作業を加えざるを得ず、バリ取りに人件費をかけない「ロボットによる完全自動化」は難しいと言えます。 解消するには、作業者による「ホルダー交換」が必要 とはいえ、ホルダ(バネ種類)を付け替えることで、ある程度えぐりを抑えつつ、作業者による仕上げ工数を減らすことは可能です。 一方で、結局「ホルダを交換する」という作業工数が発生してしまうのに加え、サイクルタイムが短縮されないのもバネ機構のデメリットと言えるでしょう。 FINESYSTEMは、 「えぐり」を解消するホルダ設計に着目! 当社が独自開発したエアフロート機構は、エアを用いる機構をベース構造としつつ、軸元に「複数ボールガイド(特許技術)」を使用することで、刃先がワーク形状に追従し、機械でありながらより“感覚作業”に近いバリ取りを実現しました。 圧縮エアを用いることで、バネではできなかった「反発力」を制御できるのに加え、複数ボールガイドにより「ここから、ここまで削る。」という最低限のティーチングを行うだけで、まるで熟練工の手首のように、よりなめらかな伸縮・傾動が可能に。 これにより、バネ機構よりもティーチングの少なさやサイクルタイムが向上するだけでなく、バリ取りロボット最大の課題だった「えぐり(削りすぎ)ゼロ」を実現したのです。 下記ページでは、当社が設計・開発した「独自エアフロート機構」についてより深掘りしていますので、ぜひご覧ください。 関連ページ:『バリ取り自動化』 金属だけでなく、樹脂も対応可能! まずは「事前トライ」で課題感をお聞かせください 本記事でも紹介したように、当社ではロボットによるバリ取りの「完全自動化」を掲げて日夜研究・開発を進めてきました。 その集大成である“独自のエアフロート機構(AFシリーズ)”をぜひ導入いただきたいところではありますが、実際にお客様のワークで目標のバリ取り品質を達成し、サイクルタイムを短縮させられなければ意味がありません。 そのため当社では、実際のお客様の製品・ワークを利用した「事前トライ」を承っています。本当に納得いただいた上で導入していただきたいからこそ、既に導入を検討されているお客様であっても、まずは事前トライからの実施を推奨しています。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい削減できるのか? 導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて現状の課題感に対する解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りの事前トライはこちらから!