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リジッド機構とは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!

リジッド(軸先固定)機構とは?

バリ取りロボットにおける「リジッド(軸先固定)機構」とは、切削工具などがしっかりと固定されている構造のことを言います。

リジッド機構ホルダはバリ取りロボットが普及しはじめた頃に多く導入されていました。

そもそもホルダって何?

バリ取りロボットにおける「ホルダ」とは、切削工具などをロボットに取り付ける際に切削工具を保持するための装置で、バリ取り作業の精度と効率を高めるために重要な役割を果たします。

外力などによって切削工具がズレてしまうと、本来削りたい部位を削れなかったり、削ってはいけない部位を削ったりしてしまいます。

そのためホルダによってバリ取り工具をしっかりと固定することで、工具を安定させ、精度の高いバリ取りを実現するのです。

関連記事:『バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!』

リジッド機構の強みは「外力によるズレが少ない」こと!

▲リジッド機構イメージ図

リジッド機構最大の特徴は、外力による切削ツールの位置ズレが少ないことです。

上図のようにホルダ先端の工具はしっかりと固定された構造となっているため、外力によって軸先がブレることはほとんどありません。

これにより加工中に発生する振動や衝撃にも耐えられ、高い加工精度が実現されるというわけです。

リジッド機構の課題は「空振り(削り残し)」の発生

一方でこの「ズレの少なさ」がデメリットになるケースも。それがリジッド機構の課題である「空振り(削り残し)」の発生です。

リジッド機構はアタッチメントのブレが少ない反面、バリの形状・大きさに合わせた柔軟な動きができず、空振り(削り残し)が発生しがち。

構造上、工具がしっかりホルダーに固定されていることで、ティーチング(教示)外の動きができず、イレギュラーな形状のバリが残ってしまうのです。

またロボットがティーチング通りの動きを行う以上、ティーチング点も形状に合わせてより細かく設定しなければならず、「手間が増える上に、都度修正が必要」という課題が残っています。

「完全自動化」が難しいという課題も…

上で解説した通り、高い精度が出せない=仕上げは“作業者の手作業”になるため、リジット機構ホルダの導入によりある程度の効率化はできるものの、バリ取りに人件費をかけないという「完全自動化」が難しいのも課題のひとつ。

そのため、

  • 過去導入していたが、精度がイマイチで辞めてしまった
  • 結局人の手を使うので、最初から作業者に任せる流れに戻した

といった製造業者の方も多くいらっしゃるようです。

FINESYSTEMは、
「空振り」を解消するホルダ設計に着目!

当社が開発した独自のエアフロート機構(AFシリーズ)は、エアを用いる機構をベース構造としつつ、軸元に「複数ボールガイド(特許技術)」を使用することで、人間でいうところの「手首の柔軟性」のような役割を果たし、機械でありながらより“感覚作業”に近いバリ取りを実現しました。

これまでバリ取りロボットは、ワーク形状にあわせて綿密なティーチングを行う必要がありましたが、独自エアフロート機構では動画のように「ここから、ここまで削る。」という最低限のティーチングを行うだけで、まるで熟練工の手首のように、工具をワーク形状に倣わせることが可能に。

これにより、従来機よりもティーチングの少なさやサイクルタイムが向上するだけでなく、バリ取りロボット最大の課題だった「空振り(削り残し)ゼロ」を実現したのです。

下記ページでは、当社が設計・開発した「独自エアフロート機構」について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

関連ページ:『バリ取り自動化ページ

金属だけでなく、樹脂も対応可能!
まずは「事前トライ」で課題感をお聞かせください

本記事でも紹介したように、当社ではロボットによるバリ取りの「完全自動化」を掲げて日夜研究・開発を進めてきました。

その集大成である“独自のエアフロート機構(AFシリーズ)”をぜひ導入いただきたいところではありますが、実際にお客様のワークを加工できて、その上で品質・サイクルタイムを短縮させられなければ意味がありません。

そのため当社では、実際のお客様の製品・ワークを利用した「事前トライ」を承っています。本当に納得いただいた上で導入していただきたいからこそ、既に導入を検討されているお客様であっても、まずは事前トライからの実施を推奨しています。

  • 実際に加工した際の品質はどうか?
  • サイクルタイムをどのぐらい削減できるのか?
  • 導入時の「費用対効果」はどうか?

なども踏まえて現状の課題感に対する解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。

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バリ取り機の「ツール」について|自動化マシン導入の基礎知識を解説

バリ取り機の「ツール」について|自動化マシン導入の基礎知識を解説

ツールとは? バリ取り機の「ツール」とは、ロボットの先端につける切削パーツのことです。 実際にワークを削り取る部分ですので、切削を目的とした超硬カッターや、微細なバリを除去するヤスリ状のものまでタイプも様々です。 本記事では最終的な仕上げ加工用だけでなく、当社のバリ取りロボットに使用できるツールを例に詳しく紹介していきます。 ツールの種類 用途にもよりますがツールの種類はメジャーなものだけでも「10種類以上」あります。 ここからは用途別に、具体的には「湯口切断」「荒加工」「仕上げ加工」の3用途で使われる主なツールとその特徴について解説します。 1. 「切断」ツール 「切断ツール」は湯口部分の切断、つまり鋳造直後の“最も大きなバリ”を除去するためのツールで、ダイヤモンドディスクや切断砥石などの「大型工具」であることが特徴です。 また湯口切断はワークそのものをばっさりカットするわけですから、ツールそのものの切れ味に加えて、高いトルクも必要となります。 この辺りは下記記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『鋳造・鋳鉄製品の「切断ツール」について|種類からワーク別の推奨製品まで紹介』 2. 「荒加工」ツール 荒加工ツールは、切断したワークをある程度整える、いわば切断と仕上げの“中間”を担うツールです。 こちらは「切る」というよりも仕上げに向けて「削り整える」のが目的ですので、エンドミルのような切削向きのツールが使用されます。 またこちらも切断と同様にある程度のトルクがないと“削り残し”が起こってしまうので注意が必要です。 詳しくは下記記事をご覧ください。 関連記事:『ダイキャスト切削も自動化!?鋳造製品の「粗加工」に必要なツールを解説』 3. 「仕上げ加工」ツール 仕上げ加工ツールは、微細なバリの撤去や面取り(R面、C面、系面取り)加工で使用されます。ツールは切削・研削向きの超硬ロータリーバーや砥石、場合によってはベルトサンダーなどが該当します。 またワークサイズにもよりますが、仕上げ加工は“ミリ単位の精度”が必要になりますから、たとえば一口にロータリーバーといっても、その形状やサイズはさまざまです。 ただワークや素材によって最適なツール形状は異なるため、これらすべてを揃える必要はありません。 仕上げ用ツールの詳しい説明や選定方法については、下記記事をご覧ください。 関連記事:『ツールの種類で“仕上げ精度”も変わる!「バリ取り自動化用ツール」について解説』 ◯ バリ取りツール早見表 湯口切断 粗加工 仕上げ加工 ダイヤモンドディスク 切断砥石 チップソー など エンドミル ドリル など 超硬ロータリーバー 砥石 など 【Point】 高トルクのホルダが必要 【Point】 高トルクのホルダが必要 【Point】 同名ツールでも型が豊富 「削り残し・えぐり」を防ぐ ホルダの柔軟性が必要 ツールは“消耗品” バリ取りツールは「消耗品」ですので、定期的な交換コストが発生します。 消耗頻度は「導入後」しかわからない バリ取りツールの消耗具合は、運用してみないことには分かりません。 というのも、バリ取り機は日中稼働し続けることがほとんどですから、たとえ同じようなワークを扱う他社事例であっても、1日、延いては1ヶ月スパンで見てみると、その生産量の差は大きなものになります。 また運用していく上で、効率的な切削方法やティーチングも見つかっていくため、一概に消耗頻度を算出できないというのが結論なのです。 だからこそ導入前には“必ず”事前トライを通して、 そもそも自社ワーク(形状・サイズ・材質)も対応可能か 目的とするバリ取り品質が得られるのか を詳しく確認しておくことが大切なのです。 バリ取り機本体の「導入コスト」については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。 関連記事:『バリ取り作業を自動化!バリ取り機械の導入コストや具体的なメリットまで解説!』 まずは「バリ取りトライ」をお試しください! 当社は「以前導入していたけれど、諦めてしまった…」という企業様の悩みを踏まえて、今日まで研究・開発を行ってきました。そのため、 進化したロボットは気になるけど、また同じ結果にならないか心配… 自社製品のバリ取りを自動化できるのか… といった不安を解消すべく、実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい短縮できるのか?導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談ください。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

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バリ取り作業を自動化!バリ取り機械の導入コストや具体的なメリットまで解説!<!--104公開用240216リライト-->

バリ取り作業を自動化!バリ取り機械の導入コストや具体的なメリットまで解説!

製品を加工する上で「バリ」は必ず発生してしまうものです。これまでは作業者によって、ひとつひとつ手作業でバリ取りを行うことが一般的でしたが、近年はロボットや工作機械による「バリ取りの自動化」を行う企業も増えつつあります。 「自社でもそろそろ自動化を…」と検討されている方も多くいらっしゃると思いますが、 初期費用(導入コスト)はどれくらいなのか…? 実際にどれくらいの費用対効果があるのか…? などが分からず、導入を迷われている方も多いのではないでしょうか。 今回は、「バリ取り業務を効率化させたい」とお考えの方に向けて、バリ取り機の導入コスト」や具体的な「費用対効果・メリットについて詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。 そもそも「バリ取りの自動化」とは?  <ロボットでのグラインダー加工の様子> 「バリ取りの自動化」とは、これまで手作業で行われていたバリ取り作業を、ロボットや工作機を用いて機械作業に転換することを意味します。そもそもバリ取り作業というのは、微細な凹凸を精密に削り取る必要があることからも、従来は「作業者が目で確認し、手作業でバリを取り除く。」というのが、当たり前の世界でした。 しかし手作業によるバリ取りは、高精度で確実な除去ができる反面、時間がかかる上に、作業者に大きな負担をかけるという課題があります。さらに、作業者の「熟練度」や「疲労状態」によって、品質にバラツキが生じてしまうことも、大きな課題とされてきました。 そこで近年では、上動画のような機械(ロボット)を導入し、作業効率の向上・品質の向上(バラツキ低減)を行う企業が増えてきているのです。 「バリ取り機械の導入」による、実際の効率化事例 ではバリ取り機械を導入すると、具体的にどの程度の作業効率化ができるのでしょうか? ここからは当社製品を導入いただいた事例を参考に、具体的にどの程度の費用対効果が得られるのか?について詳しくご紹介していきます。 品質はそのままに、作業効率が『6倍』に向上 当然ですが手作業でのバリ取りは、その分時間と労力がかかります。当社にご相談いただく事例の中にも、「1製品あたり、数十分かかってしまう…」と、作業効率の悪さを課題視されているケースは多くあります。 当社では、お客様の作業内容にあわせて、様々なバリ取り機をご提案・提供しており、当社のバリ取り機を導入いただいた事例のひとつでは、1製品あたり「24分」かかっていたバリ取り業務を、「24分→4分」と、約6倍の作業短縮を実現しました。 また作業が効率化されても、品質が担保できなければ「効率化できた」とは言えません。当社の提供するバリ取り機械では「熟練工の手の動き」を忠実に再現する、独自システム「エアフロート機構」を採用しているため、品質はそのままに、作業効率の大幅改善に貢献しています。 「エアフロート(フローティング)機構」について詳しく知りたい方は、下記記事と動作説明映像もあわせてご覧ください。 関連記事:『フローティング機構とは|バリ取り自動化に向けて知っておきたいこと』 動作説明映像:『サンプルムービー|エアフローティング機構の動作説明』 1人あたりの作業工数も1/2以下に 物価の高騰と働き手の不足は、経営において重要な課題です。特に手作業によるバリ取りは熟練工の技が必要となるわけですが、この「熟練工の引退による人手不足」が近年、問題視されています。 そこでバリ取り機を導入することで、誰でもバリ取りを行えるようになる(ロボットを操作できる)のはもちろん、人員を他の作業に割り当てることができるため、人件費の削減や作業者不足の解消につながります。 さらに作業によっては、一人で複数台のバリ取り機を動かすことも可能なため、ライン総合効率も大きく改善でき、1人あたりの工数を大きく削減できるのです。 ケガ・事故の『発生件数ゼロ』を実現 手作業でのバリ取りは、作業者にケガのリスクをもたらします。ケガの種類はさまざまですが、当社製品による一例としては、「バリ取りを3か月担当すると必ず腱鞘炎になっていたが、バリ取り機を導入してからは、腱鞘炎を発症する人が0になりました。」というご報告をいただいています。 その他にも自動化を行うことで、「工具による切り傷・擦り傷」なども抑制できますし、生産性向上という観点で見ると、肉体的・業務時間的にも、作業環境が改善できるといえるでしょう。 バリ取り自動化ロボットの導入費用は? バリ取り自動化ロボット導入費用はおよそ【700万円】からが相場となっています。価格だけ見るとかなり大きな費用に感じてしまうかもしれませんが、作業者数人分の作業をロボット一台で完結させられると考えると、年間通してみても、自動化ロボットの導入による費用対効果は明らかです。 またバリ取り作業に発生する費用には、主に下記の3つです。 人件費 工具・作業道具費用 ロボット(機械)などの設備導入費 手作業の場合は部品1個あたりのバリ取りに約25円分のコストが発生すると言われています。また手作業の場合、内訳のほとんどが「人件費」が占めているため、ロボットによるバリ取りで人件費を大きく削減した場合、設備導入費用を含めても製品1個あたりのコストは約5.9円程度と、約1/4にコスト削減を行うことが可能なのです。 引用元:「バリ取りにかけるコストを調査してみた|株式会社ジーベックテクノロジー」 FINESYSTEMなら、バリ取り自動化における 導入からティーチングまで一括サポート! バリ取り自動化を前向きに検討されている企業の中でも、「ロボットに熟練工レベルの仕上がりが再現できるのか不安…」といったお悩みから、導入を諦めてしまう企業様も少なくありません。 FINESYSTEMでは、ロボットを活用したバリ取りに関するあらゆる自動化で、お客様のお悩みを解決し生産性向上のお手伝いをします!「無償バリ取りトライ」も行っており、事前にバリ取り品質をご確認いただけます。 バリ取り自動化を検討しているが、どこに依頼すべきか分からない 自社製品に見合ったクォリティが出せるか、確認してから依頼したい 導入から保守まで全部お任せしたい 上記のような内容でお悩みなら、ぜひ一度お問合せくださいませ! >>お問い合わせはこちらから >>バリ取り・RBハンドリングのトライのご相談はこちらから

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バリ取りって何?「バリ」の発生原因から行う理由・方法まで詳しく解説!<!--101公開用-->

バリ取りって何?「バリ」の発生原因から行う理由・方法まで詳しく解説!

バリとは?バリ取りとは? バリとは、金属加工や樹脂(プラスチック)加工の過程で発生する、突出部や余分な部分を指し、一般的には不規則で鋭角な形をしています。JIS規格: JIS B 0051では「かどのエッジにおける、幾何学的な形状の外側の残留物で機械加工又は成形工程における部品上の残留物」と定義されています。例として、金属を切削したり圧力をかけて成形したりするときに、素材が伸びながら引き裂かれていく過程でバリが形成されます。 <金属の切削加工バリの例>   金属の鋳造や樹脂の射出成形のような「型」を利用した加工においても、バリは発生します。このときのバリの発生原理としては、鋳造や成形中に型の合わせ目や部品と型の間隙から材料が漏れ出し、その部分が固まり、型などの合わせ目に沿った形状のバリとして現れるのです。    <金属の鋳造バリと樹脂の成形バリの例> またバリは、切削や成形の他にも溶接箇所や表面処理などさまざまな場面で発生しますが、部品の精度向上・利用者へのケガ防止などのためにも、必ず取り除くべき存在とされているのです。 このような生産過程で発生した突出部や余分な部分を除去する工程を「バリ取り」といいます。 バリ取りを行うべき「3つ」の理由 では具体的になぜ部品製作において、バリ取りが重要視されているのでしょうか?ここからは、バリ取りを行うべき3つの理由について詳しく解説していきます。 製品の故障や摩耗を予防するため バリが部品に残ったままになっていると、製品の長期的な機能や性能に影響を与えるリスクが高まります。例えばバリの硬さや大きさによっては、他の部品に接触し、傷を付けてしまう可能性もあります。摺動面に接する部位にバリがあれば、当然摺動抵抗が増しますし、摺動面を摩耗させ、摺動性を損ないます。 組付精度を高めるため バリは加工品の元々の形状にはない、不要な部分として突き出します。その結果、バリが部品の接触面に存在すると、バリが異物として挟まり、正しい組付けができなくなってしまいます。 例えば、プレスで穴を開けた金属板にバリがあると、挿入される棒との適切なはめ合いが確保できず、うまく部品同士が噛み合わなくなってしまう可能性もあります。また、バリが基準面のエッジ部にある場合、計測の誤差も生じる可能性が高まります。このように、バリが製品の仕上がりと精度を大きく低下させるリスクがあるため、バリ取りが必要なのです。 製品の安全性を担保するため 内部的な精度向上の目的ももちろんありますが、バリ取りを行う大きな目的は何といっても「製品の安全性を担保するため」でしょう。特に金属部品に発生するバリは非常に鋭利で、もしバリが残っていると、製品を使用するエンドユーザーの思わぬ怪我・事故に繋がりかねません。 過去には、製品に残ったバリによるユーザーの怪我の事例もいくつか報告されているほど、製造業者にとって「バリ」の除去は非常に注力すべき点なのです。そのため、特に人が触れる部分のバリは慎重に除去することが求められるというわけです。 「バリ残し」によるトラブル事例 バリを残してしまうことによって起こり得るトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか?ここからは、「バリの取り残し」によって起こり得るトラブル・問題点について、4つの観点から解説します。 「組付け」におけるトラブル 部品にバリが残ることで、部品同士の組付けを行う際に想定外の隙間となり、正確な組付けが困難となってしまいます。 「製品性能の低下」に関するトラブル 先の「組付け」にも関連するお話ですが、バリが製品の摺動部や接触面に存在すると、その部分の組付け精度が悪化し、設計時に想定した性能が得られなくなり、完成した製品の性能低下リスクが増加してしまいます。 「バリの脱落・剥離」によるトラブル バリは設計上、残留が想定されていないものですので、ほとんどの加工バリは脆く強度が低いものです。そのためバリが残っていると、製品の使用中にバリの脱落や剥離の可能性があります。これにより製品へのキズ、故障や摩耗につながります。 直接的に使用者を傷つけてしまうトラブル 特に金属のバリは非常に鋭利で、作業者はもちろん、製品を利用するエンドユーザーを直接的に傷つけてしまう可能性が高いものです。過去には、自転車部品にバリが残っており、使用者がケガをしてしまった事例や、工場作業者がバリによってケガをし、労災となったケースも存在します。 主なバリ取り方法は? ひとえに「バリ取り」といっても、バリの形状・規模によっても方法はさまざまです。ここからは下記2つについて、詳しく解説していきます! 手作業によるバリ取り 機械・ロボットによる自動バリ取り 手作業によるバリ取り 手作業によるバリ取りは、主に手工具を駆使して行います。例えば、ヤスリ、スクレーパーやロータリーバー、さらに研磨シートや研磨ディスク、そして研磨ベルトなど、専用の工具が用いられます。 <ヤスリによる手作業バリ取り> 手作業のバリ取りは、これまで一般的に行われてきた方法で、細かく正確なバリ取りが可能な反面、作業者不足や作業者離れ、品質のばらつき、技術の習得に時間がかかることなどが課題となっています。 手作業バリ取りのコツについては、下記記事でより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください! 関連記事:『手作業でのバリ取りのコツは?作業時のポイントからおすすめ工具まで解説!』 機械・ロボットを導入したバリ取り 近年は、ロボット技術を利用してバリ取りを自動化する動きが見られます。小型ロボットを使用すれば、大掛かりな設備準備の必要もなく、経済的にバリ取りを自動化できることが利点です。 <FINESYSTEMのバリ取りロボット> これまでのバリ取り機では、製品形状に追従しないため熟練工の手作業によるバリ取り品質を提供することが難しいという課題がありましたが、近年では技術進歩により、機械・ロボットによるバリ取りでも、「熟練工の技」に匹敵する品質を実現できるようになってきたのです。 「バリ取り自動化」をご検討中の方は、下記記事で詳しい導入費用・メリットについて解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『バリ取りロボットで作業を自動化!導入費用やメリットまで詳しく解説!』 「熟練工レベルのバリ取り」を FINESYSTEMのバリ取りロボットセルで実現 FINESYSTEMでは、これまでバリ取り工程において課題視されてきた、高い品質や工数、作業者不足などの課題を解決するため、「熟練工レベルのバリ取り」を実現するバリ取り自動化システムおよび、バリ取りホルダやツールの開発・製作を行って参りました。 バリ取り自動化を検討しているが、どこに依頼すべきか分からない バリ取り品質は維持しつつ、「生産性向上・コスト削減」を行いたい 作業者の負担を減らしたい 上記のような、バリ取り自動化による作業改善なら、ぜひFINESYSTEMにお任せください! >>お問い合わせはこちらから >>バリ取り・RBハンドリングのトライのご相談はこちらから 下記記事では「熟練工レベルのバリ取り」を叶える、当社の『エアフロート機構』について詳しく解説していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください! 関連記事:『フローティング機構とは|バリ取り自動化に向けて知っておきたいこと』

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バネ機構ホルダとは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!<!--24114公開用-->

バネ機構ホルダとは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!

バネ(スプリング)機構ホルダとは? バネ(スプリング)機構ホルダとは、バネの力を利用したフロート機構を持つホルダの総称です。 そもそもバリ取りロボットにおける「ホルダ」とは、切削工具などロボットに取り付ける際に切削工具を保持するための装置で、バリ取り作業の精度と効率を高めるために重要な役割を果たします。 外力などによって切削工具がズレてしまうと、本来削りたい部位を削れなかったり、削ってはいけない部位を削ったりしてしまいます。 そのためホルダによってバリ取り工具をしっかりと固定することで、工具を安定させ、精度の高いバリ取りを実現するのです。 関連記事:『バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!』 バネの反発力を活かした「傾動・伸縮」が可能に! ▲バネ機構イメージ図 バネ機構の強みは、バネの力によって「傾動・伸縮」が自在に行える点です。 ロボットで熟練工の技を再現するには、ティーチングによる機械的な加工はもちろん、イレギュラーな形状バリに対しても柔軟にバリ取りする必要があります。 従来はツールの軸先を固定してしまう、いわゆる「リジッド(軸先固定)機構」が主流だったため、ワークやバリの形状にあわせて滑らかに追従することができず、人の手の動きを再現することができませんでした。 しかしバネ機構は、バリ取りツールが製品やバリの形状に合わせて傾動・伸縮するため、バリや製品形状のバラツキを吸収し、滑らかで綺麗な仕上がりになるのです。 従来型の「リジッド機構」については、下記記事で詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『リジッド機構とは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!』 バネ機構の課題は「えぐり(削りすぎ)」の発生 上でも紹介した通り、バネ機構は「X・Y・Z」方向に動きますが、押当力(フロート力)の発生源は“バネ”であるため、バネの性質上、押し付けるほど反発力も強くなります。 つまり押し付け過ぎた部位ではバネの反発も大きく、製品まで削り込んでしまう「えぐり(削りすぎ)」が発生してしまいます。 そのため、リジッド機構よりも滑らかに加工可能になったとはいえ、複雑な箇所や仕上げは作業者の手作業を加えざるを得ず、バリ取りに人件費をかけない「ロボットによる完全自動化」は難しいと言えます。 解消するには、作業者による「ホルダー交換」が必要 とはいえ、ホルダ(バネ種類)を付け替えることで、ある程度えぐりを抑えつつ、作業者による仕上げ工数を減らすことは可能です。 一方で、結局「ホルダを交換する」という作業工数が発生してしまうのに加え、サイクルタイムが短縮されないのもバネ機構のデメリットと言えるでしょう。 FINESYSTEMは、 「えぐり」を解消するホルダ設計に着目!  当社が独自開発したエアフロート機構は、エアを用いる機構をベース構造としつつ、軸元に「複数ボールガイド(特許技術)」を使用することで、刃先がワーク形状に追従し、機械でありながらより“感覚作業”に近いバリ取りを実現しました。 圧縮エアを用いることで、バネではできなかった「反発力」を制御できるのに加え、複数ボールガイドにより「ここから、ここまで削る。」という最低限のティーチングを行うだけで、まるで熟練工の手首のように、よりなめらかな伸縮・傾動が可能に。 これにより、バネ機構よりもティーチングの少なさやサイクルタイムが向上するだけでなく、バリ取りロボット最大の課題だった「えぐり(削りすぎ)ゼロ」を実現したのです。 下記ページでは、当社が設計・開発した「独自エアフロート機構」についてより深掘りしていますので、ぜひご覧ください。 関連ページ:『バリ取り自動化』 金属だけでなく、樹脂も対応可能! まずは「事前トライ」で課題感をお聞かせください 本記事でも紹介したように、当社ではロボットによるバリ取りの「完全自動化」を掲げて日夜研究・開発を進めてきました。 その集大成である“独自のエアフロート機構(AFシリーズ)”をぜひ導入いただきたいところではありますが、実際にお客様のワークで目標のバリ取り品質を達成し、サイクルタイムを短縮させられなければ意味がありません。 そのため当社では、実際のお客様の製品・ワークを利用した「事前トライ」を承っています。本当に納得いただいた上で導入していただきたいからこそ、既に導入を検討されているお客様であっても、まずは事前トライからの実施を推奨しています。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい削減できるのか? 導入時の「費用対効果」はどうか? なども踏まえて現状の課題感に対する解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りの事前トライはこちらから!

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バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!<!--24112公開用-->

バリ取りロボットの「ホルダ」って何?役割やホルダの種類まで詳しく解説!

バリ取りホルダとは? バリ取りロボットにおけるホルダとは、ロボットに取り付ける切削工具を保持するための装置です。ホルダは、バリ取り作業の精度と効率を高めるために重要な役割を果たします。 工具の取り付けに不可欠! 上でも解説した通り、ホルダの最も大きな役割が、工具をロボットに取り付け保持すること。 外力やワークの硬さに工具が負けてしまうと、工具がズレてしまい、本来削りたい部位を削れなかったり、逆に削ってはいけない部位を削ったりしてしまいます。 そのためホルダによってバリ取り工具をしっかりと固定することで、工具を安定させ、精度の高いバリ取りを実現するのです。 バリ取りホルダの種類は? バリ取りホルダには、内部構造の違いによっていくつかの種類があります。 現在、主流となっているバリ取りホルダーは主に、 リジッド(軸先固定)機構 バネ機構 エアフロート機構 上記の3タイプです。それぞれの特徴について詳しく解説していきます。 1:リジッド(軸先固定)機構 切削工具が先端にしっかりと固定されている構造のホルダです。 リジッド機構ホルダは工具が常に一定の位置に保持されるため、ロボットでも高い加工精度を実現できる構造として、バリ取りロボットが普及しはじめた頃に多く導入されていました。 一方で、ワーク形状のバラツキや固定時の位置ズレにあわせた柔軟なバリ取りが難しく、空振りやえぐりが発生してしまうというデメリットもあります。 リジッド(軸先固定)機構については下記記事でより詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『リジッド機構ホルダとは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!』 2:バネ機構 バネの力で工具の刃先を「X・Y・Z」方向に傾動または伸縮する機構のホルダです。 特にリジッド機構の課題点であった、ワーク形状に応じて柔軟な削り方ができないというデメリットを解決するために開発されました。 そのため空振りの発生は少ないものの、バネの反発による「えぐり(削りすぎ)」が起こることがあります。 それを回避するために、バリ取り箇所によって工具またはホルダ交換を行う必要があるのがデメリットです。 バネ機構については下記記事でより詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『バネ機構ホルダとは?構造から特徴・課題点を詳しく解説!』 3:エアフロート機構 刃先がX・Y・Z方向に傾動・伸縮するのはバネ式と同様ですが、圧縮エアによりフロート力(圧力)を発生させる機構のバリ取りアタッチメントです。 エアフロート機構であれば、フロート力は「エア圧の調整」だけで簡単に行えるため、バリ取り箇所に合わせて複数の工具を用意する必要はありません。また、フロート力がバネの縮みに比例するバネ機構とは異なり、FINESYSTEMのエアフロート式バリ取りアタッチメントではほぼ一定のフロート力が得られ、より高い精度でバリ取りができるようになったのです。 エアフロート機構については下記記事でより詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。 関連記事:『フローティング機構とは|バリ取り自動化に向けて知っておきたいこと』 「熟練工の技」を再現するには、エアフロート式バリ取りアタッチメントが不可欠! これまでもバリ取り自動化ロボットは存在していたものの、機械ではなかなか手作業のバリ取り品質を再現することが難しいという課題がありました。 この課題を解決し、バリ取りをロボットによって自動化しながらも、限りなく熟練工の技に近い品質を提供できるようになりました。エアフロート式バリ取りアタッチメントは、人間でいうところの「手首の柔軟性」のような役割を果たします。柔軟性のないロボットの画一的な動きを人間の手作業のようにすることができ、より速く、質の高いバリ取り作業が可能となったのです。 バリ取り機製造を行う多くの企業が「バリ取り自動化」を謳っています。しかし、実際のところは、仕上げには作業者の手が必要となる、いわば“半自動化”がほとんど。 「完全自動化」—— 一切人の手を介さない“バリ取り自動化”の実現。 下記記事では、バリ取り自動化の歴史を振り返りながら、当社の想いと独自のバリ取りロボット開発背景を記していますので、ぜひあわせてご覧ください。 関連記事:『真の“バリ取り自動化”とは何か?「空振り・えぐりゼロ」を実現するバリ取り機の開発背景』

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鋳造・鋳鉄製品の「切断ツール」について|種類からワーク別の推奨製品まで紹介

鋳造・鋳鉄製品の「切断ツール」について|種類からワーク別の推奨製品まで紹介

鋳造・鋳鉄ワークにおける「切断」とは? バリ取りにおける「切断」とは、鋳造製品の湯口(原料の流し込み口)部分に残る“突起”を切断することなどを指します。 本記事では、バリ取り自動化の第1フェーズ「切断」で使用するツールについて詳しく解説していきます。 切断ツールの種類 まずは切断で使用されるツールについてです。 切断は「削る」というよりもワークそのものをばっさりカットしますので「大型刃物」のようなツールが使用されます。詳しく見ていきましょう。 1. ダイヤモンドディスク 表面にダイヤモンド砥粒が付いた研削ディスクで、主に鋳鉄・鋳鋼などの硬い素材の切断に用いられます。   ただし切断中に過熱や振動が発生するため、鋳鉄よりも柔らかいアルミ鋳造素材には、次に紹介する「チップソー」が利用されます。 鋳鉄とアルミダイキャストの違いについては、こちらで詳しく解説しています。 関連記事:『ダイキャスト(ダイカスト)とは|鋳造との違いや製品事例も解説』 2. チップソー チップソーは先端に「超硬チップ」が取り付けられた丸ノコギリ式のツールです。 丸ノコギリが高回転するため金属の切断に向いている上、ダイヤモンドディスクのような発熱も少なく、アルミダイキャスト等のワーク切断で利用されます。 ◯ チップソーの構造 3. 切断砥石 切断砥石は、砥石の円周部で金属をカットするディスクカッターです。 高速回転によって大きな切断力を発揮し、厚みのある金属にも対応できるため、大量生産ラインにも適しています。 ただし摩耗が激しいため、定期的な交換・管理が必要になります。 4. 超音波カッター 超音波カッターはツール先端の刃物を微振動させることで、切断を行います。主な切断ワークは「樹脂製品」で、上で紹介したような工具では切除が難しい際に利用されます。 ◯ 切断ツールと対応素材   アルミ製品 (ダイキャスト含む) 鋳鉄 ステンレス 樹脂・ゴム 砂型 ツール ダイヤモンドディスク - 〇  - - - チップソー 〇 × × - - 切断砥石 △ △ △ △ - 超音波カッター × × × 〇(ゴムは×) × 「切断自動化」の注意点 ツールは消耗品 切断ツールは「消耗品」ですので、定期的な交換が必要です。 また消耗具合もワークの特徴や運用方式によっても異なりますので、交換頻度は運用してみないことには分かりません。 “高トルク”が必要 特に金属切断の場合は、ツールの性能はもちろんマシン側のトルクと剛性も必要です。 バリ取りの自動化では「切断 〜 仕上げ加工」までを“バリ取り”と呼んでいますが、切断で必要なトルクと、微細な仕上げを行う際のトルク出力は“全く”異なります。 ですので基本的には、 切断用ロボット 荒加工ロボット 仕上げ加工用ロボット と、必要なトルク出力に合わせた「複数のバリ取りマシン」を導入いただく必要があります。 FINESYSTEMの「AFシリーズ」なら“切断〜仕上げ”まで1台で完結! バリ取りでは通常、「切断」「荒加工」「仕上げ」の工程毎に専用機を用いたり、部分的に職人が手作業で加工を行うのが主流ですが、当社システムでは全加工工程を”ロボット”で完結。 ボトルネックとなっていた加工工程をシームレスに自動化することで、人的コストの削減だけでなくサイクルタイムの大幅短縮を実現します。 また実際の「お客様の製品・ワーク」を利用した「事前トライ」を承っております。 実際に加工した際の品質はどうか? サイクルタイムをどのぐらい短縮できるのか? なども踏まえて解決策をご提案いたしますので、まずはお気軽に事前トライにてご相談くださいませ。 >バリ取りトライのお申し込みはこちらから!

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